プロが自分の家では絶対に選ばない!後悔する住宅設備・仕様7選 後編

こんにちは。住まいの専門家かみだにです。
今回は「プロが自分の家では絶対に選ばない!後悔する住宅設備・仕様7選」の後編になります。

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ご自宅の参考のために是非最後までご覧ください!

6.バルコニー


後悔する住宅設備・仕様の6つ目は、バルコニーです。バルコニーと言えば失敗後悔設備の代名詞ですよね!

『えっ、そんなん聞いたことないけど!「夫婦の顔はだんだん似てくる」って言い張る人の、野村監督以外の名前くらい聞いたことないけど!』と思った方もいるかもしれませんので、しっかりと説明します。

一般的に、採用したけど全然役に立たなかった、という設備があったとして、ほとんどの場合は、使わなければいいだけなので、ある意味それだけの後悔で済みますが、バルコニーの場合はそうはいきません。

ほうっておくと、排水にゴミが詰まったり、防水面が劣化すると、漏水の原因になります。





また、バルコニーは外壁面よりも大きく飛び出していますから、家の外壁の中でバルコニー部分の劣化が一番早いです。まだ、周りの外壁はそんなに傷んでいないのに、バルコニーの外壁だけは、コーキングも切れているし、外壁の塗装もボロボロということは結構あります。

コーキング
壁同士の隙間を埋めるため、充填剤を入れること




加えて、屋根を兼ねているルーフバルコニーの場合は、本来であれば屋根として施工する部分を平坦なバルコニーにしているので、小屋裏空間が少ない分、日射による室内への温熱環境のダメージは多くなってしまいます。

ハーフバルコニー



そして、ベランダに出入りするために、窓を掃き出し窓にする必要がありますから、窓が大きい分、室内の熱損失も大きく、窓の前に家具が起きにくくなるため、バルコニーを設置することで関連する様々な面で損をしてしまいます。

ただ、ここまでのデメリットをはねのけてでも採用されたい理由としては、洗濯物や布団を干したいという目的があるからだと思います。

しかし、最近では室内干しアイテムや『幹太くん』のような乾燥機も充実してきましたし、洗濯物を2階のバルコニーまで干しに行くという生活スタイルも、共働きが多い現在では選ばれる方は少ないと思います。

そして、もう一つのメリットである布団を干したいという部分も、今時期などは特にですが花粉や黄砂などで干せる季節もかなり限定的となってしまいました。



これだけ考えると、もう日本の住宅からバルコニーがなくなるのは時間の問題、という気もしますが、2階リビングの場合は、バルコニーを外部テラスとして活用できるのでまだまだオススメできます。



ただし、一部でも良いので雨がかからない空間を作っておいた方が、スリッパ置き場やゴミ置き場などにも利用しやすいので、オススメです。

7.エアコンの設置位置


後悔する住宅設備・仕様の6つ目は、エアコンの設置位置です。

エアコンの設置位置については、失敗したという声が多いです。例えば、リビングのソファに座っていると『風が直接吹いてきて気分が悪い』ということや、『吹き出し口の向きが悪くて、空調の効きが悪い』ということがあります。

さらに最近の電気代の高騰で、エアコンの空調効率は家計の圧迫と直結しますから、エアコンの配置を工務店のお任せで適当に決めてしまうと電気代で損をすることになります。

エアコンの位置は『プラン計画段階では全く考えてもいなかった』ということも多く、最終の電気配線の打合せをしていたら『つけることのできる壁が1箇所しかなかった』ということも少なくありません。

ただ、もちろんですが、そんな決め方で理想の空調計画になる訳もなく空調の効率は悪くなってしまいます。

エアコンの理想の配置としては、

➀できるだけ部屋の中央に設置する
➁部屋の長手方向に吹き出し口を向ける
➂室外機との距離が近い
➃室外機に直射日光が当たらない

こういった環境が理想です。

しかし、実際にはデザインが気になって、エアコンをできるだけ目立たせないように、部屋の隅に設置したり、場合によっては、エアコンを隠したりする場合もありますが、効率は確実に落ちますので、その点を十分考慮したうえで設置位置を検討してください。

工務店側もエアコンが見えにくくなれば仕上がりがキレイに見えますから嬉しいですが、別に空調の効きを考慮している訳ではないのでご注意ください。


今回は『プロが自分の家では絶対に選ばない!後悔する住宅設備・仕様7選』ご紹介しました。
最後にまとめておさらいすると、

  1. オール電化 電力会社1本に頼らないインフラ計画をする
  2. 天然芝 維持管理が苦行
  3. 人工芝 7,8年に一度張り替えが必要
  4. 窯業系サイディング メンテ地獄に注意
  5. 外壁木板 雨がかりを必ず避ける
  6. バルコニー 2階リビング以外はおススメしない
  7. エアコンの位置 効率を重視して設置する


以上の内容をご紹介しました。

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上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

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