皆さんお久しぶりです。 住まいの専門家かみだにです。
間取りに必要な要素は、ここ数年で大きく変わりました。例えば大きな変化でいえば、コンパクトな間取り設計が非常に重要になったという点です。
理由は2つあります。
1つ目は、ウッドショック以降、継続して原材料価格が高騰したことにより、建築費用を抑えるため、面積を小さくする必要が出てきたことです。
そして、2つ目は、現在、共働き世帯は7割を占めており、家事や生活動線に時短を求めるという流れから、できるだけコンパクトな間取り設計が求められてるからです。
このように、現在の間取りに求めるものは、特にコロナ前の状況とは大きく変わってきています。しかし、ハウスメーカーなどの間取りの提案者側が、その変化にまだまだついていけていないのが現状です。
そうなると、想定外に面積が大きくなったり、家事動線が悪い間取りになってしまう可能性があります。
そこで、今回のブログでは、最新の間取りで知っておくべき注意点を解説いたします。間取りで失敗を避けるポイントや、機能的な動線をつくるために必要な知識をご紹介します。
案外自分だけの思い込みで進めてしまうと、「うわー人魚が出たっていうから、行ってみたら・・・。男の人魚やった。なんかショックやわ」となってしまうかもしれません。最後までしっかりとご覧ください。
今回ご紹介する『間取りの失敗ポイント』は7つです。
・部屋の配置を最優先
・キッチンの配置
・収納面積
・整形の間取り
・周遊動線(回遊動線)
・雨天、曇天
・老後の想定
これだけでは、「全然ピンとこんわ!東京ドーム1000個分の広さくらいピンとこんわ!」という方ばかりだと思いますので、ひとつずつ詳しくご紹介します。
1.部屋の配置を最優先
間取りの失敗ポイント1つ目は、『部屋の配置を最優先』です。
「いやいやいや、部屋の配置以上に優先するもんないやろ!」と思いますよね。それがあるんです。詳しくご説明します。
まず、間取りを考える際に、実際にはほとんどの方が、部屋の配置を優先して計画していると思います。
例えば、LDKは日当たりを考慮して南側に配置したり、子供部屋はプライバシー性を考慮して2階に配置する、というような配置の仕方です。
この間取りの失敗ポイントは、『動線計画が後回しになる』という点です。
先ほどのように部屋の配置を優先した計画の場合は、部屋の配置が完了した後で、部屋と部屋をつなぐために通路や廊下を計画する、という順番になります。
この計画では、隣接する部屋同士の行き来はスムーズでも、家全体の動線計画を考慮することは難しくなります。こうなると、生活してから各スペースへの行き来のしにくさを感じてしまいます。
では、どうすれば良いのかというお話です。
それは、『一本の動線上に部屋を配置する』ということです。
「・・・はあ?」という方もご安心ください。これは住宅営業マンでも理解できている人は少ないです。しっかりと噛み砕いてご説明します。
分かりやすく具体的な動線の一例でご紹介します。
まず、玄関からパントリー、そしてキッチン、続いてサニタリー(水回り)収納、水回り、それから衣類収納、最後に個室というような生活動線に、家事動線も加えた理想の動線計画を、一本の動線としてイメージしておきます。
そして、この全体の長い動線を、できるだけ障害物やクランクの少ない動線として確保します。その後に、このメインの動線上に、各スペースを肉付けしていきます。
そうすることで、家全体として一貫性のある動線の中で間取りを作ることができます。もちろん、多少の出っ張り引っ込みなどは発生はしますが、家事のために1階と2階を行ったり来たりするような、致命的な家事動線にはなりにくいです。
特に重要なポイントは、一例で挙げた動線計画のように、パントリーや衣類収納などの収納空間も加えた動線を、最初からイメージしてください。そうすることで、生活が始まってからも実際に使える間取りになります。
間取り設計のポイントとしては、部屋の配置が一旦決まってしまうと、後から配置のバランスを動かしていくのは難しくなります。
ですから、あくまでも最初の段階で動線計画を優先していくことが大事になります。是非、一度意識して計画してみてください。
2.キッチンの配置
間取りの失敗ポイント2つ目は、キッチンの配置です。
キッチンの配置については、間取りの端部に計画している場合を多く見かけます。
例えば、玄関からホールを経由して、リビング・ダイニングの次にキッチンを配置しているような場合です。これは、LDKを配置する上でリビングやダイニングが間取りの中心となることが要因で、結果的に、キッチンは家の端部になってしまうということです。
もちろん、リビングやダイニングといった、家族がくつろげる空間を、家の間取りの中心に計画するというのは理想的な配置に感じますよね。
しかし、実はキッチンを端部に配置するのは、家事動線や生活動線からいうと、デメリットが多くなります。
実際の生活の中では、家事動線の中でもキッチンを中心に行き来するという場面が非常に多く、キッチンから他の部屋への移動距離が長くなると、家事の不便さを感じやすくなります。
例えば、キッチンと玄関との帰宅動線や、2階との生活動線や、水回りとの家事動線は、いずれも普段の生活で重要です。
しかし、キッチンを間取りの端部に配置してしまうと、先ほどの全てのスペースと隣接させるのは困難です。「そんなにキッチンにばっかりおらんやろ!」というご意見もあるかもしれませんが、1日の調理にかける時間は2時間程で、これは家事にかける時間の中で半数を占めています。
つまり、間違いなく家事の中心はキッチンですから、間取りの中でキッチンを端部に配置してしまうと、家事動線が長くなってしまい、家事の負担を感じてしまうのです。
そこで、解決方法としては、単純ですが、できるだけキッチンが間取りの中心となるように計画をするということです。
これは、物理的な中心でなくても、動線上でキッチン付近を経由するような動線計画ができていれば問題はありません。
難しく感じるかもしれませんが、玄関に近い位置にキッチンを設ける意識をしておくと、自然の流れで比較的キッチンを間取りの中心に配置できると思います。
また、加えて2階建ての場合は、そのキッチン付近に階段を計画すると、1・2階の動線の連携が取れやすくなるので合わせておススメします。
次回は『知らないと絶対後悔する!!失敗する間取り7選 中編』になります!
▼こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧ください!
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