こんにちは、住まいの専門家上谷です。
家づくりの中でも選ぶのが大変なのが「住宅オプション」ですよね。
オプション選びも家づくりの楽しみではありますが、それぞれの仕様を選ぶ度に、オプションが用意されていますから、「どれを選べばいいのか分からない」と悩んでしまう方もいると思います。
そこで今回は、住宅オプションを選ぶ際の参考にしていただけるように、付けなくても問題がないオプションや、むしろ付けない方が良いオプションに限定して7つご紹介します。
また、それぞれのオプションをなぜ付けなくても良いのかという理由も詳しく解説します。
このブログを見ていただければ、不要なオプションへの出費を避けるための、参考にしていただけますから、是非最後までご覧ください。
それでは「つけると後悔してしまう!実は不要な住宅オプション7選」をご紹介します。
どれも人気のオプションですが、採用すると失敗する可能性があるものばかりとなっています。
1.10年お掃除不要のレンジフード
不要な住宅オプション1つ目は、10年お掃除不要のレンジフードです。
こちらのレンジフードは、たくさんのキッチンメーカーがこぞって扱っている超人気のキッチンオプションです。
以前Panasonicが行った調査によると、主婦がキッチン掃除の中で最も嫌いな場所は、換気扇廻りが圧倒的ダントツ1位だったこともあり、キッチンオプションの中で、選ばれる方が多い商品です。
この10年お掃除不要のレンジフードの特徴は、油の付着などによるファンの部分の汚れを、通常のレンジフードに比べ10分の1程度に軽減できるということです。通常のレンジフードの掃除の頻度が、一般的に1年といわれていますから、その名の通り掃除の頻度が10年に一度で済むというオプションです。
クリナップの「洗エールレンジフード」や、Panasonicの「ほっとくリーンフード」やLIXILの「よごれんフード」がこれに当たります。
それにしても見事にダジャレから来てるネーミングですよね。こういった決まりがあるんでしょうか。
それはさておき、そんな人気で掃除の負担も軽減してくれるこちらのオプションを、なぜ不要なのか、という理由をご紹介します。
その理由は、そもそも標準のレンジフードを選んでも、ファンはあまり汚れないからです。
詳しくご説明します。
標準のレンジフードを選んだ場合には、もちろん全くお掃除をしなくてもイイという訳ではありませんが、従来のような1年に1回掃除をしないとベタベタに汚れてしまう、というような状況にはなりません。
それはなぜかというと、まず、現在各社が標準採用している、スマートフード形状のレンジフードは、煙や油などの汚れは、まずレンジフードの下部についている整流板に当たります。そして、整流板を通過した汚れだけが、回り込んでフィルター部分に到達します。その後、フィルターを通過した汚れだけが、最終的にファンに到達することになります。
実はこの時点で、汚れの7割~8割程度は、ここまでの経路で既にカットされています。
つまり残りの2、3割がファンに到達することになりますが、この汚れも幾分かは、そのまま外気に放出されますので、全てがファンの汚れになるわけではありません。
こういったことから、標準タイプのレンジフードを選んだ場合でも、従来のブーツタイプのレンジフードや、それよりも以前のプロペラタイプの換気扇のように、皆さんが想像されているような、ベトベトで掃除が大変ということはありません。
また、最近ではほとんどの方が、ガスよりもIHを採用されています。IHを選んだ場合は、そもそもの汚れの飛散が少ないため、レンジフードの汚れはさらに少なくなります。
なお、10年お掃除不要のレンジフードは通常のレンジフードに比べ、ファンの部分の掃除頻度を減らせる、というような特徴はありますが、整流板やフィルターといった部分に関しては、通常のレンジフードと同じように、日常のお手入れは必要になります。
このような特徴を考えると、
- 標準のスマートフードでもファンは汚れにくい
- 整流板の汚れは同じ
- フィルターの汚れは同じ
高額なオプション費用を出してまで採用するような差は出ないということになります。
ちなみにダジャレのネーミングセンスでは、Panasonicの『ほっとくリーンフード』が一番良いと思います。「よごれんフード」ではなく、「よごレンジフード」にしていたらLIXILの方がうまかったかもしれませんけど。
2.玄関の電子錠
不要な住宅オプション2つ目は、玄関の電子錠です。
電子錠は、玄関ドアのカギを、リモコンキーやカードキーを使って施錠解錠をすることができるオプション仕様です。
「いやいやこれは絶対いるやろっ!」と考えられている方も多いと思います。ですが実はこれは、絶対につける必要が無い住宅オプションです。
その理由は、市販されている後付け商品の方が、圧倒的に優秀だからです。
玄関ドアを扱うサッシメーカーも、電子錠の機能を徐々に拡張していますが、価格が後付けタイプに比べ何倍も高く、機能面でかなり劣ります。
例えば、現在サッシメーカーは、リモコンキーで解錠を行うタイプが主流ですが、後付けタイプのスマートロックは、すでに指紋認証や番号認証が搭載されています。
リモコンキーの場合は、当然ながらリモコンを携帯する必要がありますし、カギを持っていない状態で外出した際の締め出しの危険や、玄関付近にカギを置いてしまって勝手に解錠してしまう場合もあります。
対して、指紋認証や番号認証は、カギやリモコンを携帯する必要がありませんし、知らない間に解錠しているという危険もありません。
さらに後付け製品の価格は、メーカー価格の3分の1から5分の1の価格が一般的です。
オススメの後付けタイプのスマートロックは、2つあります。
1つ目は、『sesame』です。
オススメの理由は、圧倒的な低価格と、反応速度です。現在は、『sesame4』が最新となっていますが、価格は遠隔操作が可能になるWi-Fiモジュールを合わせても、1万円程度と驚くほど安価です。
また、以前の『sesame3』に比べて、かなり清音で電池の持ちも長くなっています。スマホのウィジェット操作も単純でしやすく、施錠解錠速度も速いです。
おススメのスマートロック2つ目は、スイッチポッドのスマートロックです。
こちらがオススメの理由は、指紋認証機能です。別売りの指紋認証パッドを使うと、スマホを携帯していなくても解錠することができます。
また、番号認証もついていますので、手袋をしている場面や手が汚れていて指紋認証が使えない場面でも問題ありません。お子さんがいらっしゃるご家庭で、スマホやカギを無くすのが心配という場合は、特にオススメです。
価格は、遠隔操作のWi-Fiモジュールや、指紋認証パッドも含めて2万3千円ほどです。
いずれのスマートロックもリンクをブログの最後に貼っておきますので、気になる方はご覧ください。
なお、Wi-Fiモジュールがあると、出先からでも施錠解錠の確認ができますから、基本的には合わせて設置することをおすすめします。
以上のように、価格や機能面に関しても、サッシメーカーのものとは大きな差があります。
今後も後付けタイプには、さらに防犯カメラ機能やドアホンと兼ねるなど様々な機能がついてくると思いますので、ますます差は開いてくると思います。そういった後々の更新性を考えても後付けタイプがおススメです。
3&4 テレビ配線とテレビ台
不要な住宅オプション3つ目と4つ目はテレビ配線とテレビ台です。
皆さん、2022年11月にPanasonicから発売された「ウォールフィットテレビ」をご存じでしょうか。ウォールフィットテレビは、アンテナ線をつながずに視聴できるTVです。
映像情報を無線で伝送できるので、テレビ配線を気にすることなく、どこでも好きな場所にテレビを設置することができます。さらにテレビの厚みが3.5㎝の壁掛けタイプなので、出っ張ることもありませんし、固定は簡易なフックで固定しますから、壁をほぼ傷めません。
本当にどこの壁でもコンセントさえあればすぐに設置できます。
また、チューナー部分にHDDも内蔵されていて、テレビ周辺に録画機を置く必要はありませんので、テレビ台も不要です。
こうなれば壁付けTV最大のデメリットであった、設置位置が固定されてしまうという部分がなくなりますから、デザイン性も含めて壁付けTVを検討する方が増えそうですね。
価格はもちろん高いですが、テレビ台が不要になると考えれば少し検討する幅は広がると思います。
ブログの最後に公式リンクを張っておきますので、気になる方はご覧ください。
5.レースカーテン
不要な住宅オプション5つ目は、レースカーテンです。
レースカーテンは、部屋に入る日光の量を調節したり、外部からの目線が気になる場合に使用すると思います。
レースカーテンが不要な理由は、設計手法でレースカーテンを設置する必要はなくなるからです。
例えば、日射の調整に関しては、軒の長さを適切に設定すれば、夏の日射を遮り、冬場だけ日射を中に取り込むということができます。
そして、プライバシー性に関しても同様で、窓の高さ設定やスリガラスを適切に配置することで、レースカーテンを使用しなくても、周りからの視線を気にすることなく、いつでも明るい窓とすることができます。
案外、窓にはレースカーテンを付ける前提で進めてしまっていることも多いと思いますので、周辺環境も意識しながら窓の位置や大きさを検討してほしいと思います。
レースカーテンを無くすために、効果的ポイントをご紹介すると、まず、目線よりも高い位置に窓を設置することそして、その窓の上部に軒や庇を設置することです。
こうすることで、しっかりとプライバシー性を確保したまま、日射による自然採光を取り込むことができます。
また、、レースカーテンだけではなく、ドレープカーテンについても同じように設計手法によって無くすことは可能ですが、ドレープカーテンは断熱効果やエコーの軽減に効果があり、インテリアとしての側面もありますので、レースとドレープは別々のものとして、設置検討していただいたらと思います。
6.浴室テレビ
不要な住宅オプション6つ目は、浴室テレビです。
住宅オプションの中でも贅沢品の代名詞でもある浴室テレビですが、現在は採用するメリットは全くといっていいほど無くなりました。
その理由は、現在では優秀な防水タブレットが数多く出ているからです。
浴室テレビは、TV配線や電源工事も行う必要がありますから、導入に本体以外にも費用がかかってきます。
ですが防水タブレットであれば、設置の手間は全くありませんから、安価で採用できますし、メンテナンスや更新性についても優秀です。
また、テレビ以外にYouTubeやネットフリックスなど巾広く視聴することができます。
私の自宅では、ファーウェイ製の防水タブレットを使用していますが、家族そろって快適な入浴を楽しんでいます。
防水タブレットの後ろに磁石を張ることで、浴室の壁面に浮かせて視聴できますから、置き場所に困ることもなくオススメです。
子供がお風呂から出てこなくなるという声もあるかもしれませんが、子供がお風呂に入ってくれない、という状況よりもずっと良いと思いますので、そこは皆さんの価値観に合わせてご検討ください。
なお、浴室はWi-Fiの電波が家の中でもかなり飛びにくい場所ですから、Wi-Fiルーターの選定はしっかりと行ってください。
浴室に限らず、家中のスマート化を考えている方は、メッシュWi-Fiをご検討いただいた方が良いと思います。特にTPリンクのDecoシリーズはメッシュWi-Fiに加えてカバーできる面積が広いので、戸建てにお勧めのルーターです。
こちらも気になる方はブログの最後のリンクをご覧ください。
7.アイアンパイプ
不要な住宅オプション7つ目は、アイアンパイプです。
アイアンパイプは、物干しスペースに設置することが多い住宅オプションです。
SNSで特に人気のオプションで、細い華奢なデザインを好んで採用する方も多いと思います。
実は細い見た目とは裏腹に、非常に強度が高く、多少荒っぽく使用してもビクともしません。
しかし、アイアンパイプを採用する際は、リスクがあります。それは、位置や高さや長さなど生活してから変更することができないからです。物干しには、人によって使いやすい高さがありますし、干す量や季節に応じて、邪魔になって外したりという必要も出てきます。
しかし、アイアンパイプは完全に固定されていますから、生活に合わせて調節することはできません。
また、デザイン性を優先して採用したとしても、実際はそのバーには、洗濯物がかかっている訳ですから、その状態でもデザイン性が大事、と思えるかどうかはいささか不安な部分が残ります。
特に物干しスペースを、脱衣場や洗面と兼ねている場合は、スペースが制限されていますから、より可変性があった方が生活に合わせた使い方ができると思います。
そういった部分から、物干し金物は、デザインよりも利便性を優先させた方が良いと思いますので、川口技研の『ホスクリーン』のように、高さ調整や脱着が容易に行えるタイプを選定する方がおススメできます。
また、どうしてもアイアンパイプを設置したいという場合は、ある程度生活してみてから、位置を確実に決めるという方が良いと思います。
なお、長さ調整ができるアイアンパイプもありますが、こちらは角の接続部分が配管パイプのようなデザインになっていますので、キャシャな細いデザインにしたいとお考えの方は、設置後に少しイメージが違ってくるかもしれません。
ご納得の上設置するようにしてください。
今回は、『実は不要な住宅オプション7選』をご紹介しました。
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