こんにちは、上谷です。
今回は、床暖房や太陽光発電のように、
つければ高くなることが想像しやすい
仕様ではなく、例えば、ウォークイン
クローゼットのような、採用すると家
の面積が広くなることで、実は結果的
に、建築費用を押し上げる要因になるも
のをご紹介します。
このタイプの予算オーバーの方がすごく
困るんです。太陽光発電の場合であれば、
予算オーバーなので外してください。
と伝えても間取り計画に影響しませんか
ら、容易に外すことができます。
しかし、ウォークインクローゼットのよ
うな仕様の場合は、間取りに組み込まれ
ていますので、予算オーバーだから外し
てください。
といっても計画の変更は容易ではなく、
気に入った間取りを崩すことになる危険
性があるんです。
ですので今回は、仕様や間取りに必要な
費用もセットで解説致しますので、人気の
間取りを要望する前の参考にしていただ
けると思います。
1つ目 周遊動線(回遊動線)
周遊動線は、とても人気の間取りで、採
用したいという要望が多いです。
実際提案すると、一番お客さん受けがい
い間取りです。
こちらは基本的に、複数の方向に通路が
必要になる訳ですから、必然的にその分
のスペースも増えますよね。
間取りによって金額は大きく異なるので、
一概に算出は難しいですが、出入口が1箇
所増えると、本来両面を収納などにできた
壁を抜いていく訳ですから、最低でも扉一
か所で1畳はスペースが増えるという考え
ができます。
1畳増えると、最低でも30万~50万円程度
必要です。ただ、これは最低限の話です。
一般的には、周遊動線を採用するために、
実はもっと費用が必要になっているという
ケースが多いと思います。
かなり建築費用を左右する仕様ですので、
はじめから周遊動線ありきで考えるので
なく、間取りを考えていたら、結果的に
理想の形が周遊動線になっていた、とい
う進め方の方が良いと思います。
参考にしてください。
2つ目 シューズクローク
シューズクロークは最近の間取り計画で、
何も要望しなければ勝手についてくるく
らい、採用する方が多い人気の仕様です
よね。
建売住宅や規格住宅でも見かけるほどで
す。人によって意見の分かれる仕様の一
つではありますが、上手に使うと収納面
に加え、動線計画もスムーズにできるの
で、要望が多いのもうなずけます。
しかし残念ながらお察しの通り高いんです。
通常の下足収納を設ける場合に比べ、面
積が必要です。理由は単純明快で、人が
中に入って使用するので、通路部分のス
ペースが必要となるからです。
採用の多い1.5畳ほどのシューズクローク
の場合、50~75万円程度必要です。
また、玄関側~玄関ホールへ通り抜けが
できる場合は、さらにスペースは必要と
なるため、先ほどに加えて20.30万程度
アップするイメージです。
ただ、シューズクロークを採用すること
で、玄関空間は広々とスッキリします。
また、レジャーや子育てグッズや、造園
などの玄関収納を兼ねるという場合であ
れば、単純に増額するわけではなくなり
ますので、採用する方がメリットがある
方も多いと思います。
個人的には、通り抜けを希望すると通路
スペースが増えて、なおかつ、棚を設け
にくくなり収納量が減ってしまうので、
通り抜けに関しては、予算に余裕がある
場合に採用されても良いかと思います。
3つ目 ファミリークローゼット
ファミリークローゼットを採用すると
実は結構費用は上がります。従来の個
室にあるクローゼットの要素を1箇所
に集約するという間取りなので、一見す
ると、逆にスペースが小さくて済みそ
うと感じる方もいるかもしれません。
ですが実際には、ファミリークローゼッ
トを採用しても、各部屋の収納を全く無
くすことはできないので、必要な収納ス
ペースが多くなってしまいます。
さらにファミリークローゼットは、
ウォークインタイプで採用することが多く、
通路分が必要となりますから、従来の壁面
収納タイプよりもスペースが多く必要です。
例えば4人家族で、従来の壁面収納のクロ
ーゼットを設けた場合、合計で4畳程度と
なることが多いです。
対して、ファミリークローゼットを採用し
た場合は、同様に4畳の収納スペースに
加えて通路のスペース1畳と、さらに各
部屋のコンパクトな収納が4人×0.5畳
程度は必要となり、合計で7畳必要とな
ります。
つまり壁面収納に比べ3畳増えますので、
採用に必要な費用は100万から150万円
増えます。
また、通り抜けができる仕様の場合は、
さらに通路空間が必要となるので費用
も当然増えます。
私はファミリークローゼットは、時短
と便利を兼ね備えた今の時代に合った
良い間取りだと思いますので、この
費用をかけてでも採用するメリットが
あると思います。
ただ、シューズクローク同様に通り抜
けに関しては、あくまでも予算とスペ
ースに余裕がある場合に採用した方が
良いと思います。
4つ目 パントリー
もう必須といってもいいくらいの仕様
ですが、パントリーを設ける場合にも
注意が必要です。
パントリーの収納スペース自体は、
そもそも収納するものがコンパクトな
ので、比較的小さいスペースで問題あ
りませんが、最近はウォークインタイ
プのパントリーを採用している場合が
多いです。
その場合はやはり、通路空間が必要と
なので、パントリーに1畳程度使用
することになりますから、結果、30万
から50万の費用が必要となってしまい
ます。
パントリーについては、費用面に加え、
使用のしやすさからも壁面タイプでい
いのではないかと思います。
そうすれば必要なスペースも費用も
半分程度で十分です。
5つ目 アイランドキッチン
アイランドキッチンは、キッチンの周
りをグルっと回れるという面がありま
すので、便利な反面、その分通路スペ
ースが必要となり、建築費用を押し上
げる要素になります。
対面キッチンの場合に採用されること
が多いペニンシュラタイプのキッチンは、
キッチン全体で4.5畳程度の広さが必要に
なることが多いです。
対してアイランドキッチンはキッチンの
両面に通路を確保するので6畳程度必要
となります。
さらにそもそもアイランドキッチンはキ
ッチン自体の金額も高いので、トータル
で100万円程度は高くなると考えてい
た方が安全だと思います。
ただ、100万円でアイランドキッチン
にできるのなら、便利に加えて、デザイ
ン性も高いですし、使用頻度も高いので、
メリットがある方も多いのではないかと
思います。
今回は、採用するとコストが上がる仕様
を5つご紹介しました。
採用される際は、
是非、検討してみてください。