マイホーム入居後1年の後悔ポイント7選


こんにちは。住まいの専門家かみだにです。

皆さん家を建てるなら、もちろん『最高の家にしたい!』って思いますよね。そのために時間をかけてネットで調べたり見学会などに出向いたりして、様々なプランを検討していると思います。

しかし、実際に自分の生活スタイルに合っているかどうかは、ある程度生活してからでないと判断ができませんから、入居から1年後に『えっ?何これ!全然役に立たんやん!めちゃくちゃ使えると思ったのに!DVDプレーヤーのリモコンの開閉ボタンくらい意味ないやん!」ということも結構多いんです。

とはいっても、できるだけ失敗や後悔をする要素は事前に潰しておきたいですよね。そこで今回のブログでは、皆さんがそんな失敗を事前に回避できるようマイホーム入居後1年の後悔ポイント7選をご紹介します!

そして、なぜ失敗や後悔につながってしまうのか、どうすればその失敗を事前に回避できるのかということも詳しくご説明します。

これを知っておくかどうかで入居後の満足度が変わってきますから、是非、最後までご覧ください!それでは、早速いってみましょう!

1.玄関が狭い


マイホーム入居後1年の後悔ポイントの一つ目は、『玄関が狭い』です。

玄関の広さは、最近コンパクトに設計することが多いです。

リビングやキッチン、そして水回りや収納スペースを優先させて、玄関のスペースは最低限の広さに設定するというお家が多いように思います。

しかし、玄関の広さは生活してからのイメージをしておかないと失敗が多い場所です。その理由は、玄関は他のスペースに比べ複数人で、同時に使用することが多いスペースだからです。

どういうことかというと、例えば、休日に家族で外出する際も、帰宅する際もまとまった人数で、玄関から出入りすることになりますよね。その場合に、玄関を最低限の広さで設けていると、順番待ちになってしまったり、買い物の荷物を置いておくスペースもありません。

実際、車から一人ずつ下りていくわけではありませんよね。特に雨の日に、荷物を持って玄関先で混雑するのは是非とも避けたいですよね。

また、お子さんが小さい場合は、靴の脱ぎ履きをサポートするようなスペースも必要となりますので、玄関は思ったよりもゆとりの空間は必要です。

特にシューズクロークなどの収納スペースを広く取りすぎて、玄関のスペースが最低限の広さになってしまったという場合もありますので、玄関の広さ、特に奥行きよりも幅に注意して設置してください。幅がしっかりと取れていれば混雑したり、荷物を置く場所に困ることはなくなります。



そして、玄関は広すぎて後悔した、と感じることはほとんどない場所なので、最終迷ったら多少広めに設けてください。

理想の設置面積については、こちらの動画で詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。

そして、『そんなんいうても、予算の問題で広く取られへんねん!』という場合は、コンパクトな玄関でも有効に空間利用ができる斜め框について、こちらの動画でご紹介していますので、是非こちらもご覧ください。

2.掃出し窓


マイホーム入居後1年の後悔ポイントの2つ目は、掃出し窓です。掃出し窓は、床面と同じ高さに設置するタイプの窓です。2m程度の高さのものが一番多く使用されています。

入居後に気づく掃出し窓の失敗ポイントは、家具の設置位置についてです。

もちろん間取りの計画時に、設置予定の家具も含めて計画するのですが、ソファの設置位置が予定していた場所から変わってしまったり、予定よりも家具が必要になり、後から家具を買い足した、ということは実際によくあります。

というか、入居してから1年後に、当初予定していた家具しか置いていない、という方の方が少ないと思います。

そして、その場合に大きな障害になってしまうのが掃出し窓のような大きな開口部分です。開口の前には家具を置くことができず、かなり制限された中で配置を検討することになってしまいます。

もちろん、それでも掃出し窓は日常的に出入りするから仕方がない、という場合は仕方ないのですが、実際には、『せっかく掃出し窓にしたのに、ここから出入りしたこと1回も無いねんけど!あっ、冷蔵庫はここから入ってるわ!冷蔵庫に負けた!」という方が多いのも実情です。

ですから、まずは家具の配置については、図面に表記しているような最低限の家具だけではなく、本棚やインテリアとしての家具の設置位置や、ソファの位置を模様替えできるような場所を検討する必要があります。

特にソファについては、配置によって死角ができてしまいますので、お子さんの成長に合わせて移動する必要もでてきます。

今だけではなく、近い将来のイメージしながら、家具の配置と掃出し窓の必要性を検討してみてください。

3.動線が悪い


マイホーム入居後1年の後悔ポイントの3つ目は、『動線が悪い』です。

動線の問題こそ、生活してからでないと気づけない部分ですし、不便を感じてしまうと日々のストレスになってしまいますから、しっかりと事前に回避しておきたいですよね。

とはいっても、最近では動線計画についても、無駄が少ないコンパクトな動線で計画されていたり、関連する部屋をまとめて配置するなど、しっかりと計画されていることが多いです。

特に、水回りスペースと収納スペースの動線などは、機能的かつコンパクトになるように意識されているように思います。ただ、その中でも失敗しやすい動線があります。

それが、階段の位置です。

階段は、1階と2階の動線をつなぐため優先して配置計画を考える必要があります。ですが、実際には階段は間取り計画の中で優先順位が低くなりやすい場所です。

その理由は、通常平面図で打合せを行うため、各階を別々のものとして計画してしまうからです。例えば、1階であればリビングやキッチン、2階であれば個室空間や収納などの優先したい部屋の配置を計画したあとに、残りのあまった空間の中で階段を配置しているため、1階と2階の動線をあまり考慮せずに計画していることが多いです。

実際に思い返していただくと、階段が家の間取りの中で隅っこに配置している、というお家は結構多いですよね。そうなると、実際の生活が始まると、例えば、1階で洗濯してから、2階の物干しや収納空間までの動線が長くて不便とか、寝室から水回りまでの距離が長くて朝の支度に苦労する、ということになってしまうんです。

こちらの解決方法は、平面計画だけではなく、家のプランを立体的に考える、ということです。

少し難しいと感じるかもしれませんが、平面計画が固まる前の、最初の段階であれば、案外そうでもありません。逆に、ある程度、平面プランが進んでしまうとがんじがらめになってしまって、階段や吹き抜けのようなタテのつながりがある空間は配置する場所に制約を受けてしまいますので、早めの検討をおススメします。

プラン計画の順序としては、アプローチや日当たりなど立地条件に関連してくる、玄関やリビングの配置は最優先して、その次にできるだけ家の中心近くに階段を設置するようなイメージをしておくと、1・2階の動線を効率的につなげることができると思います。

そして、工務店やハウスメーカーもこの立体的なプラン検討ができていないというケースは非常に多いので、プロに任せているから大丈夫と安心するのは危険です。

しっかりとタテのつながりも考えてみて、特に動線が長くなりすぎていないかとイメージを膨らませてみてください。


4.パントリー


マイホーム入居後1年の後悔ポイントの4つ目は、パントリーです。パントリーはキッチン周辺に設置する主に食品類を保管する収納スペースです。

パントリーで失敗しやすいのが設置位置です。

特に多いのが、玄関から遠くて手荷物を運ぶのが大変、という失敗の声です。最近は子育て世代の半数以上が共働き世帯ですから、買い物は週に何回かまとめて行うというご家庭も多いと思います。

そうなると、買い物袋を抱えた状態で玄関からパントリーまでの往復を、週2回程度でも1年で100回以上もすることになります。

食品は買わない訳にはいきませんし、お米や飲料などかなり重たいので、特に買い物を奥さんがされるご家庭の場合は重たい荷物の持ち運びは、苦行に感じてしまいますよね。

ですから、普段の生活の中での、パントリーの配置は生活の満足度に大きく影響してしまいます。

おススメのパントリー位置を簡単にいってしまえば、玄関の近くに設けるのが理想です。

ウォークルスルータイプのパントリーを玄関の近くに設けることで、玄関からパントリーを経由してキッチンに向かうという動線にすることができます。



最近では、買い置きも多くパントリー内にセカンド冷蔵庫を設置したり、防災の備蓄も含めパントリーに求める要素は増えていて面積も大きくとる傾向にあります。



しかし、動線計画については、LDKの中でもキッチンが玄関から見て奥側に配置されていて、パントリーはそのキッチンの中でさらに奥側に配置している、という間取りも多いので、あとから動線で苦労して後悔しないように、このままの動線計画で問題ないかという部分はしっかり検討するようにしてください。

5.水栓を付けておけば良かった


マイホーム入居後1年の後悔ポイントの5つ目は、『水栓を付けておけば良かった』です。

これは、生活してからの失敗後悔の中でも、かなり不便に感じてしまいます。

『2階にも水栓を設置しておけば良かった』というものや、『ベランダやバルコニーの掃除用に水栓が欲しかった』という声や、『庭の植栽の水まきや、駐車場の汚れを掃除するのにもホースが届かない』など、家の様々な部分で発生する可能性があります。



そして、後から欲しいと思っても、完成後に水道配管を行うのは容易ではありませんから、不便を感じながらも仕方なく生活している、という場合が多いです。

事前にしっかり検討しておきましょう。といってもそれができれば苦労しませんよね。

ですから、おススメの方法としては、将来用の配管スペースを計画しておくことです。例えば、2階に配管ができるようなパイプスペースを設けておくことや、外部に配管ができるように基礎に貫通孔を設置しておくという方法です。




これをしておくことで、将来的に必要になった場合に比較的容易に配管が行えますから、大幅に解体したりして家や財布を傷めることがありません。是非、参考にしてください。

6.ファミリークローゼットの容量

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7.設置位置


マイホーム入居後1年の後悔ポイントの6つ目はファミリークローゼットの容量、そして7つ目は設置位置です。

ファミリークローゼットは、家族の衣類などを一か所にまとめて収納できるクローゼット形式です。

最近特に人気で、衣類を一か所にまとめられることによって、洗濯した衣類の片付けを行う際の家事負担の軽減ができるので、要望の優先順位が高い仕様です。

それでは、ファミリークローゼットで失敗しやすい容量についてご説明します。

ファミリークローゼットは入居して実際に使ってみたら広さや大きさが足りなかった、というような後悔の声が多いです。こちらは結論からいうと、ファミリークローゼットを家族全員分の衣類を収納するスペースとして捉えると失敗します。

『いや、どういうこと?家族分の衣類を収納するからファミリークローゼットやろ』と思った方も多いと思いますので、ご説明します。

ファミリークローゼットの最大のメリットは、家事負担の軽減です。

つまり、洗濯した衣類をまとめて収納できる、という部分にあります。ということは洗濯と関連が無いような普段使いしない服は別の空間にしまっておいても良いということになります。

それなら結局他のスペースに収納が必要になり、スペースが増えてしまう、と思うかもしれませんが、この考え方をしておかないとファミリークローゼットに必要なスペースはいくらでも広くなってしまうことになります。

それに全員がファミリークローゼット内で常に着替えをしたり、衣類を取りに来なくてはならなくなります。

ですから、ファミリークローゼットは、洗濯などの家事動線と関連するような普段使いの衣類や下着類を収納し、それ以外のものはコンパクトな収納を各個室などに設ける、というような考え方をしておいてください。

そして、もう一つの配置についてですが、ファミリークローゼットは水回り空間とセットで配置する必要があります。その理由は、先ほどのように家事負担の軽減が最大の目的だからです。

入居後の声に、水回りが1階にあるのにファミリークローゼットは2階に配置してしまったので、洗濯乾燥して、片づけるのにすべての洗濯物を、2階までもっていかなければならない、という後悔の声があります。

これでは、ファミリークローゼットのメリットは半減してしまいますよね。

とはいっても、水回りスペースに加えてファミリークローゼットまで、1階のスペースに収まりきらないという場合も多いと思います。

その場合は、1階の水回りにこだわらずに、2階に水回りとファミリークローゼットをまとめて配置することで、家事負担を軽減することができます。

こうすれば洗濯から収納までスムーズになりますし、洗濯カゴを持った状態で階段を上がるのと、手ぶらで上がるのとでは家事負担に大きく違いがでますよね。

このような部分に注意して設置すれば、ファミリークローゼットの失敗を防ぐことができますので、是非参考にしてください。



『マイホーム入居後1年の後悔ポイント7選』ご紹介しました。

まとめておさらいをすると

  1. 玄関が狭い
  2. 掃出し窓
  3. 動線が悪い
  4. パントリーの位置
  5. 水栓をつけておけば良かった
  6. ファミリークローゼットの容量
  7. ファミリークローゼットの位置


以上の7つをご紹介しました。

このブログでは実際の住まいづくりで本当に役立つような情報をお伝えしております。

一緒に最高の家づくり目指して頑張っていきましょう!

こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧下さい!
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上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

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