知らないと絶対に後悔する! 不要な間取り・仕様5選 後編


こんにちは、住まいの専門家かみだにです。

今回は『知らないと絶対に後悔する! 不要な間取り・仕様5選 後編』になります(前編がまだの方はこちらからどうぞ!)

3.トイレ


不要な間取り・仕様3つ目はトイレです。

『いやトイレはさすがに必須やろ!近所のコンビニにトイレないタイプやねん!』と思われたかと思います。

もちろん設備としてのトイレは必要ですが、今回は、間取りとしてのトイレのお話です。まず、トイレは、ほとんどの方が、単独のスペースとして設置すると思います。

ただ、トイレを海外のように、他の空間と併用して設置することで、いくつかのメリットがあります。今回はそのメリットをご紹介します。



トイレを他の空間と併用する最大のメリットは、『建築費用が下がる』ということです。

トイレを単独で設ける場合は、約1帖ほどのトイレスペースと、それに加えて、トイレへの動線も必要ですから、最低でも1.5帖ほどのスペースが必要になります。

トイレを単独で設ける場合



では、今度は脱衣室にトイレを設ける場合でご説明します。トイレを脱衣室内に設ける場合は、0.5帖ほどのスペースがあれば十分ですから、1帖のスペースを削減することができます。

脱衣室にトイレを設ける場合



また、脱衣室と併用する場合は、出入り口の扉や手洗い、そして、窓や換気扇・収納設備などの重複する設備は不要となりますから、その分の建築費用を削減することができます。



また、その他のメリットとして、トイレ周辺のスペースにゆとりができて、なおかつ、水回りとの動線がスムーズになりますから、介護をしやすいというメリットがあります。

水回りとの動線がスムーズ



ただ、もちろんお気づきのようにデメリットもあります。それは、『プライバシー性が低い』ということです。

ですから、来客が使用するトイレや、家族の人数が多いお家には、向きません。
逆に、オススメできる生活スタイルとしては、

少人数でお住まいの世帯
来客が少ない世帯
介護をしている世帯
トイレが2つ以上あるお家


こういった方にオススメです。是非、参考にしてください。

4.子ども部屋

不要な間取り・仕様4つ目は子ども部屋です。子ども部屋が不要な理由は、主に2つあります。


子ども部屋が不要な理由1つ目は、『使い方が決まっていない』ということです。

お子さんがいらっしゃるご家庭の中で、お子さんの年齢は未就学の時点で家を建てるという方は約6割となっています。

つまり、ほとんどの方は、お子さんがどんな形で、子ども部屋を使うか分からない、という時点で部屋の計画をしていることになります。

例えば、趣味・嗜好や、性格というような、お子さんに関してももちろんですが、未来の学習状況も予測して計画することになります。

例えば、数年前からタブレット学習が当たり前になりましたが、今後もこのような変化はあるでしょうし、それによって、学習の仕方や、必要な部屋の環境は変化しますよね。

いずれにしても、営業マンや私レベルの予測で、間取りを計画できるほど、簡単な変化では無いということは確かです。


そして、子ども部屋が不要な理由2つ目は、『子ども部屋を使用する期間が短い』ということです。

使用する期間については、お子さんが、小学校高学年から子ども部屋を使用して、大学4年で出て行ってしまうと、子供部屋として使えるのは10年ほどです。家の寿命が50年と考えると、使用期間が短すぎますよね。

以上のような理由から、はじめから子ども部屋として間取りを計画するのには、リスクがあります。しかし、だからと言って、子ども部屋が全く無くなってしまうと、お子さんの成長にも支障がありますよね。

そこで、子ども部屋のかわりに、オススメしたい間取りが、子供部屋にもできる部屋です。これは、はじめから子ども部屋として設けるわけではなく、必要に応じて子ども部屋にも変化できるお部屋です。

例えば、お子さんが子ども部屋を必要とする年齢まで、寝室に隣接したセカンドリビングとして利用して、成長に応じて間仕切れる形にしておくわけです。

寝室に隣接したセカンドリビング

成長に応じて間仕切りをする



場合によっては、子ども部屋自体も全く使わない可能性もありますから、いずれにしても、リスクを回避することができます。

また、先程のような間取りの場合に、はじめから間仕切りを設けておいても良いのではないかと思った方もいると思います。

しかし、それはオススメしません。なぜなら、後から設置する壁は、撤去しやすいからです。

当初から設置してしまった壁は、構造上の壁となっていますから、将来いらなくなった際に容易に撤去することができません。日本の住宅が30年ほどで建て替えてしまうのは、老朽化だけが原因ではなく、間取りが使いにくい、ということも大きな要因です。



構造が伴う間取り変更は、高額な改修費用がかかりますから、結果、建て替えを選択する方が多いです。是非、将来に渡っても、長く使い続けられる、可変性の高い間取りを計画してください。

5.リビング


不要な間取り・仕様5つ目はリビングです。

リビングは、家族が集まるくつろぎのスペースです。いわば家のメインともいえるスペースですが、それが何故不要なのか、ご説明します。

現在、ダイニングとリビングは、分けて設けることが一般的です。ダイニングは、食事をするためのスペース、リビングはくつろぎのスペースですよね。



しかし、実際にはダイニングでもくつろぐことはできますし、リビングで食事をするご家庭もあります。そういうご家庭にとっては、わざわざスペースを分けて設けるのはもったいないですよね。

そして、いずれか1つの用途にまとめることで、大幅なスペースの削減をすることができます。例えば、15帖のスペースに、LDKを設ける場合は、家具の配置も窮屈になり、かなり狭い空間に感じます。

15帖のスペースに、LDKを設ける場合



しかし、リビングとダイニングの用途を兼ねて設けると、今度は、15帖のダイニングキッチン、またはキッチン・リビングとなりますから、かなりゆったりとしたスペース配分になります。





そもそも従来のお家では、居間という形式で、食事と団らんを一つのスペースで共有していましたから、この使い方に違和感が無いという方も多いと思います。



是非、大幅な予算削減をご希望の方はご検討ください。




今回は『知らないと絶対に後悔する! 不要な間取り・仕様5選』をご紹介しました。

最後にまとめておさらいすると、

  1. お風呂 浴槽を無くすと大幅な費用削減になる
  2. 雨樋 条件を満たせばつけなくても良い
  3. トイレ 空間を併用して省スペース化させる
  4. 子ども部屋 可変性を持たせて無駄が無い間取りを作る
  5. リビング ダイニングと併用して空間を広々使う


今回は、一歩踏み込んだ内容になっていますから、実際に採用できる方は限定的です。しかし、採用できる方にとっては、建築費用を大幅に下げられるチャンスがありますので、一つの選択肢として参考にしてください。

今回も最後までご覧いただき本当にありがとうございました。一緒に最高の家づくり目指して頑張っていきましょう!

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上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

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