知らないと絶対後悔する‼外壁格付けランクTOP7  中編


こんにちは、住まいの専門家かみだにです。

今回は、『知らないと絶対後悔する‼外壁格付けランクTOP7  中編』になります(前編がまだの方はこちらからどうぞ!)

3.木板張り


おすすめの外壁材3つ目は、木板張りです。木板張りは、無垢の木材を使用した外壁仕様です。

日本古来から使用されている外壁材で、従来は主に杉材を使用していましたが、近年では、カナダ産のレッドシダーなども人気があります。



こちらの仕様は、完全に自然素材ですから、1枚1枚違った木目や風合いからくる本物感を感じることができます。また、経年により、徐々に変化していく様を楽しむことができるのも、木板張りのメリットの一つです。

それでは、この木板張りのおススメランクは、1つ星です。

『えっ、この話の流れで1つ星⁉サイコパスなん⁉』と感じる方には申し訳ありませんが、木板張りは全くおススメしません。


では、なぜおススメできないのか、その理由を詳しくご説明します。

まず、木板張りの耐久性についてです。

木材の強度や耐久性を表現する場合に、数百年の耐久強度があるという話を、皆さんも聞いたことがあるかもしれません。それは実際に本当の話で、例えばヒノキの木材は、200年程度経過した段階が、最も強度が高くなると知られています。

『ほな木板張りは、強度高いやん!なんで一つ星やねん』となりますが、実は、木材の強度を保てるかどうかは、環境によります。

そして、その環境が悪いと、木材はものの数年で、腐ってしまいます。

その腐ってしまう、大きな要因は、紫外線と湿気です。

しかし、外壁に木材を使用するのであれば、紫外線と湿気は避けることはできません。ですから、外壁に木板を使用した場合は、1年後には変色が始まり、5年もすれば、全面が変色した状態になり、10年以上たてばコケやカビが発生します。

そして、30年も経過すれば、節の部分は抜け落ちて、板同士の隙間は大きく開き、足元から徐々に腐っている状態になっているはずです。



これは、ガルバや塗り壁であれば、30年後には、まだ、表面の塗材の色あせが進行している段階です。もしかしたら、同じ30年の耐久性という言葉で括られるのかもしれませんが、耐久とはどの状態を指すのか、ということをしっかり事前に調べてください。

もしかしたら『ほな、昔の板張りは、なんであんなに長持ちしてんねん!うちのばあちゃんち50年は経ってるぞ!』と感じている方もいるかもしれませんが、それは今と昔で、家の造りが全く違うからです。

例えば、外壁に杉板を使用するような入母屋の場合は、軒を1m以上出して、さらに階高を抑えることで外壁に雨や紫外線が当たらない工夫がされています。加えて、板張りの裏にある土壁は、杉板に含んだ水分を吸収しますから、杉板に必要以上の水分を貯めこまないようになっています。

入り母屋

土壁



逆をいえば、今のお家でも、雨や紫外線が当たらない場所であれば、木板張りを使用しても全く問題はありません。

是非、このあたりの知識を入れた状態で木板張りの採用を検討してください。営業マンは、新築時にキレイな木板の写真が取れればそれで満足です。

4.塗装仕上げ


おすすめの外壁材4つ目は、塗装仕上げです。塗装仕上げは、モルタル下地や無塗装のサイディングの上に、表面材として、現場塗装を行う外壁仕様です。

さっそくですが、塗装仕上げのおススメランクは、3つ星です。

塗装仕上げは、現場で塗装を行うことにより、継ぎ目がなく仕上げることができます。さらに、コーキングを打設した後で、仕上げの塗装を行うことができますから、紫外線に弱いコーキングを保護することができます。



この、コーキングについて少し説明をしておくと、コーキングの目的は、隙間をふさぐ役割をすることです。例えば、外壁と外壁の隙間や、外壁と窓の隙間をふさぐわけです。



ふさぐ理由は、いわずもがな雨水の進入を防ぐことです。

コーキングの部分は、建物が揺れた際にも、隙間を発生することなく、揺れに追従したり、伸び縮みすることが求められます。

例えば、台風の際にも、揺れに追従したり伸縮しないと、揺れにより隙間が開いて、雨が外壁内に侵入してしまいますよね。



そのために、ある程度の弾力が、コーキングには求められる訳です。しかし、弾力があるゴム製ということは、紫外線にめっぽう弱いですから、コーキングが外壁表面に露出する仕様の場合は、10~15年程度の期間でコーキングを打ち換えるというのは、必ず必要になります。



今までの外壁仕様でいうと、外壁表面にコーキングが露出するのは、金属サイディングや木板張りです。露出しないのは、左官塗り壁と、この塗装仕上げになります。

ここで、話しを塗装仕上げに戻しますが、そういった部分で、塗装をコーキングの上にかぶせることができる塗装仕上げは、メンテナンス面で有利ということです。

しかし、塗装仕上げは、塗装によって、表面の防水性を確保している外壁仕様ですから、そもそも外壁の塗り替えは必須になります。

その頻度は、コーキングの打ち換えほどではありませんが、15年~20年に1度くらいは塗り換える必要があります。そういった面も考慮して、塗装仕上げのおススメランクは3つ星でした。

5.タイル張り


おすすめの外壁材5つ目は、タイル張りです。タイル張りは、磁器質のタイルを用いた外壁材です。

表面にガラスの粉末である釉薬を塗ってから焼くタイプの場合は、表面に高級感のある光沢が出ます。逆に釉薬を塗らない場合は、表面はマットな仕上がりになります。

デザインについては好みもありますが、光沢のある方が、表面は滑らかですので、汚れはつきにくいです。また、タイル張りは、耐用年数は40年以上とかなり耐久性の高い外壁材です。

そんな高級感と耐久性に優れたタイル張りのおススメランクは、3つ星です。

タイル外壁は、先ほどのように、耐久性が非常に高く、ほぼメンテナンスも必要ないことから、お勧めできる仕様です。

しかし、とにかく価格が高く、ガルバ外壁を2重で貼れるほど施工に費用がかかります。また、固定資産税の評価も高くなりますから、初期費用だけではなく、長期に渡って維持コストも上がることになります。

こういった価格を含めて考慮すると、コスパは微妙と言わざるを得ません。ですから、とくかく長期に渡ってノーメンテナンスで生活したい、という方のみにおススメできる仕様です。

なお、施工の際は、コーキングが表面に出ない方法で施工するようにしてください。これは、タイル下地の段階で、防水処理を行っておけば、問題はありません。



そうしないと、せっかくメンテナンスフリーのタイル外壁にした意味がなくなりますからね。注意してください。




次回は『知らないと絶対後悔する‼外壁格付けランクTOP7  後編』になります!

こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧ください!
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上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

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