こんにちは住まいの専門家上谷です。
家の失敗の中で、避けたくても必ず一つは失敗してしまうのが、住宅設備ですよね。
その失敗が「このタオル掛け使いにくい」という程度なら、少し頑張れば交換してしまうこともできますが、「このキッチン使いにくい」と感じてしまうと、最低でも2、30年は我慢しながらでも、使うしかありませんから、こういった住宅設備の失敗は、絶対に避けたいですよね。
こういった住宅設備の失敗は、絶対に避けたいですよね。
そこで今回の動画では、失敗しやすい住宅設備や住宅仕様を7つご紹介します!
今回ご紹介する設備は、どれも人気の設備ばかりですから、しっかり事前知識を入れておかないと、知らずに採用してしまって、後悔してしまうかもしれません。ですから、是非最後までご覧いただいて、「うわっ!やってしもた」というような失敗を避けるための、参考にしていただいたらと思います。
それでは、「選ぶと危険!失敗住宅設備7選」をご紹介していきます!
1.洗面化粧台
失敗住宅設備1つ目は、洗面化粧台です。
洗面化粧台は、掃除のしやすさや、収納オプションなど、採用するうえで検討する部分が多い設備ですが、
洗面化粧台で、特に失敗してしまうポイントは、幅選定の失敗です。
なぜ幅の選定で失敗してしまうかというと、洗面化粧台の標準的な幅は75㎝なのですが、結論からいうと、この巾では狭いんです。
75㎝では洗面ボールの両サイドに小物を置くスペースが取れず、普段使いでさえ不便を感じてしまいます。
また、幅が狭いことから、水道を使用する際に、水滴が壁に飛んでしまうので掃除にも苦労します。「ほななんで75㎝が標準になってねん」と気になりますよね。
そもそも何故この狭いはずの75㎝が、各メーカーの標準として採用されているのかというと、それは木造住宅の構造に合わせているからです。一般的な木造住宅の場合には、91㎝毎に柱を設ける910モジュールが最も多く採用されています。
そして、この910モジュールの場合に、壁の仕上げを考えると、75㎝がぴったり収まります。
これが、洗面化粧台の標準サイズが75㎝になっている理由です。
つまり、使いやすさとは全く関係がありません。
ちなみに、浴室の標準である1616サイズや(1坪タイプ)、キッチンの標準である255㎝サイズになっている理由も、木造住宅の910モジュールに合わせて作っているからです。
ただ、浴室やキッチンは標準サイズでも割とゆったりしていますから、そのままでも問題無いという方が多いと思います。
ですが、その流れで「洗面化粧台も標準でいけるやろ」と考えてしまうのは危険です。
特に洗面は、家族で同時に使用することも多いですから、そういった場合も考慮すると、120㎝以上の洗面台がおすすめです。
120㎝以上であれば、1人が鏡を見ながら、もう1人が洗面を使用するなど、2人で同時に使用することができます。ただ、それでも120㎝は最低限の幅ですから、スぺ―スにゆとりがあればそれ以上を確保することをおススメします。
とはいっても「オプション費用が高いから悩むわ」という方もいると思います。その場合は、鏡部分の収納キャビネットを、鏡のみに変更して、洗面台の幅を広げる分の費用に充てるという方法もあります。
意外と洗面の収納キャビネットは、「開けるのが面倒」「開ける時に扉が汚れる」という声も多いですし、既製品感が薄れて、スッキリした洗面スペースにすることができますから、検討する価値はあると思います。
2.引き違い窓
失敗住宅設備2つ目は、引き違い窓です。
引き違い窓は、日本で圧倒的に多く採用されている窓です。
そして、人気なだけあって、採用するうえでのメリットもたくさんあります。
◆引き違い窓のメリット
- 最も安価
- 開け閉めが簡単で早い
- 構造が単純で壊れにくい
- サイズが豊富
- 外側も用意に掃除ができる
- 交換・修理も簡単
- 使い慣れている
- シャッターや面格子などオプションにも幅広く対応
- 出入口としても利用できる
対して、デメリットはというと、
◆引き違い窓のデメリット
- 障子を動かす必要があるので、他の窓に比べ気密性が低いこと
- 解錠しやすく防犯性が低い
こういったものが挙げられます。。
これだけを見ると、「全然失敗住宅設備違うやん」と感じた方も多いと思います。
確かに、数多くのメリットに比べれば、大したデメリットじゃないと感じる方の方が、多そうですよね。
しかし、こういった性能面だけを考慮して、引き違い窓を採用するのは危険です。
その理由は、引き違い窓は他の窓に比べ、デザイン性が低いからです。
もちろんデザインについては、感じ方は人ぞれぞれだと思います。ですが、引き違い窓は、昔から最も採用され続けてきた窓ですから、「ありきたりな窓」という印象はどうしても感じてしまいます。
ですので、もし「スッキリした外観デザインにしたい」というイメージを持っていたとしても、窓に引き違い窓を採用してしまうと、一気に平凡な印象になってしまいます。
ただ、だからといってデザイン重視で窓を選んでしまうと、窓にかける費用はいくらでも膨らんでしまいますよね。
そこでおススメなのは、外観のメインとなる面には、引き違い窓は避けるという方法です。
つまり、道路面などのデザインを重視する面には、デザイン性の高い窓を採用して、それ以外の面には、安価で便利な引き違い窓を採用するということです。
こうすれば、費用面に大きな負担をかけることなく、スッキリとした印象の外観にすることができます。
また、オプションの窓の中で比較的安価でおすすめなのは、上げ下げ窓です。
上げ下げ窓は、縦長のスリット形状にも使用できますし、開閉時に窓が出っ張ることもなく、開け閉めもしやすい窓です。
上げ下げ窓が他のオプション窓に比べて安価な理由は、引き違い窓を90度回転させたような形状なので、構造がシンプルだからです。是非、兄弟揃って採用してください。
3.衣類用クローゼット
失敗住宅設備3つ目は、衣類用クローゼットです。
衣類用クローゼットの奥行きは、ほとんどの場合、家の構造に合わせてモジュール通りに設置することが多いと思います。
先ほどの洗面化粧台の時にもご紹介した通り、910モジュールを採用することが多いですから、クローゼットの奥行きは75㎝程度になっているということが多いと思います。
結論からいうと、衣類用のクローゼットの場合、この奥行きでは深すぎます。
どういうことかというと、まず男性の肩幅であっても、40㎝程度です。
ということはクローゼットの奥行きは、60㎝もあれば十分ゆとりをもって服をかけることができるということです。ですから、構造に合わせた75㎝の場合は、深すぎて無駄なスペースを作ってしまうことになります。
「別に大は小を兼ねるからエエやろ」という方もいるかもしれませんが、衣類用のクローゼットは、棚とセットでハンガーパイプを設置することが多いと思います。
その場合に、奥行きが深いと、逆に、ハンガーパイプの位置が、奥まってしまって、収納内が暗く感じてしまったり、服が取りづらくなってしまいます。
それに、奥行きを75㎝から60㎝に変更すれば、15㎝分コンパクトにできる訳ですから、その分部屋を広げることもできます。
もし、構造的な理由で、どうしても奥行きが75㎝となってしまう場合は、ハンガーパイプの位置を扉側に寄せることで、奥の壁面にスペースが生まれます。
このスペースに15㎝の棚を設置することで、鞄や帽子程度の小物が置けるスペースになります。
服が手前にあるので、使いやすいとは言えませんが、有効な空間利用としておススメできます。
4.浴室の窓
住宅設備の失敗ポイント4つ目は、浴室の窓です。
浴室の窓を付けるか付けないか問題については、こちらの動画で解説しています。
気になる方はご覧ください。
今回は浴室の窓を「設置したい」という方に対して、事前にしておいてほしい注意ポイントをご紹介します。
浴室の窓を設置する際の注意点は、2つあります。
1つ目は、窓の設置位置についてです。
浴室の窓は、洗い場側よりも浴槽側に設置されることが多いですが、浴槽側に設置してしまうと、窓の開け閉めをする際に、浴槽をまたぐ必要がありますから、開け閉めする度に不便を感じてしまいます。
ですから、湯舟につかりながら庭を眺める、というような特別な要望が無い場合は、洗い場側に設けておく方が、窓の開け閉めがしやすくなります。
続いて、浴室の窓の注意点2つ目は、窓は曇るという点です。
せっかく浴室の外に、専用の箱庭を作って、浴室の窓から眺めるようにしたのに、
「えっ窓が曇って全然見えへん、つけた意味ないやん」ということが起こります。
浴室から水蒸気を無くすことは困難ですから、これは避けようがないですね。
気温が高い季節であれば、窓は曇りにくいですから、季節限定になってでも窓から外を眺めたい、というように、事前に納得しておく必要があります。
いずれにしても浴室の窓を採用した場合は、明確な利用目的と設置場所の検討が必要です。
まだ、つけるかどうかで悩んでいるという方は、こちらの動画をご覧ください。
5.室内の引き戸
住宅設備の失敗ポイント5つ目は、室内の引き戸です。
引き戸は、横にスライドするような形で使用する出入り口の扉です。
住宅に最も使用される室内扉は開き戸ですが、開き戸を採用した場合に、扉の回転半径に物が置けないことや、開けっ放しにしておくと扉が邪魔になるといったことがあります。
それに対して、引き戸は開け放しておいても特に支障がないため、室内の扉に引き戸を採用することも多いと思います。
実際に私も、引き戸の方が、開け放したりなどの使い勝手が良いため、特別な要望が無ければ提案することが多いです。
しかし、最近ではコンパクトな設計が求められるため、引き戸のメリットだけを考えて採用すると、失敗してしまうかもしれません。
どういうことかというと、引き戸には、扉を開ける際の、扉を引き込む部分が必ず必要になります。
この引き込んだ戸袋部分には、収納や、スイッチやコンセントを設置することができません。
特に、最近のコンパクトな間取り設計の場合は、壁の量がそもそもあまり多くありませんから、壁の使い方は重要です。
例えば、引き戸にこだわってしまうと、知らない間に収納スペースが減ってしまったり、スイッチやコンセントを設置できず、生活してから「うわっここにコンセントがあったらめっちゃ便利やのに」と残念に感じてしまうかもしれません。
こういった理由から、コンパクト設計の場合は特に、開き戸の方がスペースを有効に使いやすいと思います。
どうしても、引き戸にこだわりたいという場合は、引き込み戸を採用すると、扉の両面に家具を設置できるので便利です。
ただし、戸袋内の掃除や、建具の出し入れには苦労しますから、事前にそのような特徴に納得の上で採用するようにしてください。
6.冷蔵庫スペース
失敗住宅設備6つ目は、冷蔵庫スペースです。
冷蔵庫スペースは、冷蔵庫を壁で囲うことで、専用空間として設けるスペースです。
冷蔵庫スペースを設けることで、冷蔵庫を周りから見えにくくできることや、側面の壁にスイッチやコンセントを設置することができます。
また、カップボードなどの家具を、冷蔵庫に並べて設置する場合は、空間をスッキリと区切ることができます。
こういったメリットから、間取り上は便利に思えますが、デメリットを理解していないと、生活してから後悔することになってしまいます。
冷蔵庫スペースの注意点は、一度はめ込んでしまうと、掃除が非常にしにくいという点です。
特に対面キッチンの場合は、配置によって冷蔵庫を出しにくくなってしまうので、注意が必要です。
ただでさえ冷蔵庫廻りは湿気が多く、食材も多いですから、冷蔵庫の足元の掃除をおろそかにすると、怪しい影が近づいてきてしまいます。私も本当に苦手で、確定申告くらい嫌いです。
ですから、冷蔵庫スペースを設けるにしても、ある程度の掃除ができるように、10㎝程度の余裕を設けておくことをおススメします。
また最近では、冷蔵庫や洗濯機の下に設置できる、キャスター付の架台が市販されていますから、こちらを利用するのもおススメです。こちらを設置すれば、冷蔵庫の下に掃除ができる程度の隙間を空けることもできますし、冷蔵庫ごと引っ張り出して、掃除をすることも容易になります。
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7.オープン収納
失敗住宅設備7つ目は、オープン収納です。
オープン収納は、扉を設置しないタイプの収納で、玄関やキッチン周りの見せる収納として人気です。扉をあけることなくすぐに取り出せることや、中のものが把握しやすいこともメリットとしてあげられます。
ですが、もちろんデメリットも理解していないと、失敗しやすい仕様となっています。
主なデメリットは、
◆オープン収納のデメリット
- ホコリがたまりやすい
- 片付いていないのも見えてしまう
- 物が落下しやすい
- 扉は無くても目隠しが必要な場合もある
こういったものが挙げられます。
特に掃除や片づけが苦手という方は、敬遠したくなる仕様ですよね。そして、物が落下しやすいという特徴も気を付ける必要があります。
落下防止の対策としては、そもそも高い位置には設けないこと、そして重いものや硬いものは置かないこと、また、巾止めやすべり止めを設けておくこと、こういった対策が必要になります
ただ、このような対策をしっかりしておけば、オープン収納は便利に使用することができます。
特におすすめの設置場所は、キッチンや洗面脱衣等の水回りです。
おススメする理由は、扉の開け閉めをしたくない場所だからです。水回りスペースは、手が汚れていたり、濡れていることも多い場所ですよね。そして空間が狭いですから、扉があると邪魔になる場合も多いです。
また、収納するものは小物ばかりですから、オープン収納のように収納の中を把握しやすいことも重要です。
さらに、毎日何度も出し入れしますから、そのたびに扉を何度も開け閉めするのは面倒に感じますよね。
もちろんそれでも、ホコリやこまめな片付けが必要、というのはついて回りますから、「結局後から扉を付けて割高になった」といったことにならないように、メリットとデメリットを知ったうえで、納得の上採用してください。
今回は、『知らないと危険!住宅設備の失敗ポイント』をご紹介しました。
- 洗面化粧台の標準の幅に注意
- 引き違い窓はデザイン性が低い
- クローゼットの奥行きは60㎝で十分
- 浴室の窓は設置位置が大事
- 室内の引き戸は戸袋に注意
- 冷蔵庫スペースはゆとりをもって
- オープン収納は水回りがおススメ
今回ご紹介した住宅設備は、どれも失敗しやすい特徴に気を付けながら採用すれば、生活に役立つものばかりですので、事前に特徴をしっかりと押さえていただいたらと思います。
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