あなたは、これを知らずにキッチンを計画していませんか?
こんにちは、住まいの専門家かみだにです。
皆さん間取りの中でも、特にキッチンはこだわりたいですよね。一日の家事の中で、半分以上の時間をキッチンが占めています。
つまり、キッチンは家事の中心となる場所ですから、キッチンの配置が、家事動線全体の良し悪しを大きく左右してしまいます。特に最近は、家事ラク動線や時短動線など取り入れたい要素はたくさんありますよね。
ただ、要所要所のポイントを抑えずに配置してしまうと、『この間取り使いにく!また遠回りや!』と動線で毎日不便を感じたり、『また散らかっているやん!昨日も片付けたはずやのに!えっ、もしかしてタイムリープしてる?』と変な勘違いをしてしまうかもしれません。
そこで今回は、最新のキッチンの間取りで失敗しやすい重要ポイントを解説いたします。
キッチン間取りで失敗しやすい特徴、機能的な動線をつくるためのポイントも、合わせてご紹介します。家事を快適にしたいとお考えの方は、是非最後までしっかりと御覧ください。
今回ご紹介する『キッチン間取りの失敗ポイント』は、こちらです。
- 横並びダイニング
- キッチンの通路幅
- 180㎝のカップボード
- LDKの思い込み
- パントリーの配置
以上の5つをご紹介します。
1.横並びダイニング
キッチン間取りの失敗ポイント1つ目は、横並びダイニングです。
横並びダイニングは、キッチンと同じ向きにダイニングテーブルを並べる配置です。
現在、非常に人気の間取り配置で、見た目がスマートなだけではなく、配膳がしやすいなど、実際の使いやすさも兼ね備えている間取りです。私もご提案することが多い間取り配置で、以前のブログでも何度かオススメしています。
しかし、そんな大人気の横並びダイニングにも、失敗ポイントがあります。その失敗ポイントは、『無理やり横並びダイニング』です。
無理やり横並びダイニングというのは、本来横並びダイニングが適した間取り配置ではないのに、無理やり採用してしまっている間取りのことです。
今回は、その特徴について、詳しくご説明します。
まず、横並びダイニングの特徴として、キッチンの横に並べてダイニングを設けますから、キッチンの正面にはリビングを配置するのが基本です。
なぜなら、この形が最もスペースの無駄が無く、配置することができるからです。
それが何故なのかをご理解いただくために、今度は逆に、無理やり横並びダイニングとなってしまうパターンをいくつかご紹介します。
まずは、キッチンの正面が通路スペースになっているパターンです。
一見広々と配置できているように思いますが、実際にはキッチンの正面の空間は、通路にしか使えないスペースになっています。
これは、スペースの無駄使いだけではなく、動線も長くなりますから、かなりもったいない間取りの形です。また、このパターンの場合に、カウンターを正面に設けて、キッチンカウンターで食事をするという場合もあるかもしれません。
ですが、横並びダイニングの場合、それは無駄なスペースになる可能性が高いです。
なぜなら、正面のカウンターで、わざわざ食事をしなくても、既に横並びのダイニングテーブルで十分配膳が楽だからです。
この正面のカウンター形式は、対面ダイニングの場合には有効ですが、そもそも配膳に無駄がない横並びダイニングの場合は、用途が重複してしまい使わなくなる可能性が高いので危険です。
そして、続いての無理やり横並びダイニングは、『デッドスペースを作る』というパターンです。
こちらのパターンは、間取りの端部にキッチンを配置した場合、キッチン正面のスペースが余ってしまい、適当なスペースで穴埋めをするというパターンです。
これは、従来の間取り形式に、横並びダイニングの要望をそのまま詰め込んだ場合に、陥りやすい間取りです。
どうしてもこの形状になってしまう場合は、あまり横並びダイニングの提案に慣れていない可能性があります。
例えば、キッチン正面の空間に、プレイスペースとかユーティリティとか、ちょっとよく分からない横文字のスペースで埋められている場合は、注意してください。
場合によっては、パントリーを設けている場合もあるかもしれませんが、その場所にパントリーを設けるのはかなり不便ですので、採用しないようにしてください。
『いや、あかんパターンは分かったから、どうやって回避するか教えんかい!』という方のために、無理やり横並びダイニングを、回避しやすい間取り形状を2つご紹介します。
まずは、先程も少し触れましたが、キッチンの正面にはリビングを配置するということです。従来はキッチンの正面がダイニングでしたが、そのスペースにリビングを配置します。
この形が最も省スペースで横並びダイニングを配置することができます。
ただ、この配置の場合、キッチンが家の中心となりやすいですから、排気を気にされる場合などで、キッチンをあまり家の中心に持っていきたくないという方には向きません。
そして、そのデメリットを回避しやすい方法が、半対面キッチンの採用です。
半対面キッチンというのは、壁付けキッチンと、対面キッチンを半々で採用した形のキッチン形式です。
この形であれば、キッチンは間取りの端部に配置した上で、キッチンの反対側のスペースは無駄になりませんし、さらに横並びダイニングとして、しっかり配置することができます。
そして、なにより半対面キッチンは、LDK空間と庭やデッキ空間を連続させることができます。
是非、横並びダイニングの配置で、困った際は採用を検討してください。
ただ、『半対面キッチン』というのは、私の作った造語なので営業さんには通じませんので、お手数ですがご説明お願いします。
2.キッチンの通路幅
キッチン間取りの失敗ポイント2つ目は、キッチンの通路幅です。
キッチンの通路幅というのは、キッチンと、キッチン背面の食器棚との間の、通路部分の幅のことを指します。
このキッチンの通路幅は、キッチンを使用する人数や、引き出し収納の開けやすさなどを、考慮して決定する場合が多いです。そして、その幅は80㎝から1m程度に設定することが一般的です。
しかし、最新の間取りにおいては、これらの要素だけでキッチンの通路幅を決めてしまうのは危険です。
それはなぜかいうと、最新の間取りにおいては、このキッチンの通路は、ただの作業スペースだけではないからです。
どういうことか、詳しくご説明します。
まず、従来の間取りの場合、キッチンは間取りの端部に配置されることが多く、キッチンの通路スペースは、キッチンの作業スペースとしてのみ使われる空間でした。
その場合は、キッチンの使いやすさのみを考慮して、80㎝や90㎝という幅でも問題はありませんでした。
しかし、最新の間取りでは、キッチンは間取りの端部ではなく、家の中心に配置することが多くなっています。それはなぜかというと、共働き家庭が増えたことで、家事動線や時短動線を重視して、キッチンから各スペースへの行き来のしやすさを考慮しているからです。
また、それが実現できるようになった要因として、レンジフードの性能が上がり、家の中心に配置しても排気の問題が無くなったことや、勝手口を設置しなくなったことなどが挙げられます。
そして、キッチンが家の中心に配置された場合は、キッチンの通路はただの作業スペースではなく、間取りの中で主要な通路になりますから、80㎝や90㎝の通路では通行時に支障が出てしまいます。
例えば、80㎝の場合は、廊下の幅程度ですから、調理中に他の方が通行するのには支障がありますよね。
廊下に立って調理している姿をイメージしていただくと、間取り上の通路として使用するのは難しいということが分かっていただけると思います。
では、逆にどれくらいの通路幅が取れていれば良いのかをご紹介します。
結論、通路幅は、1m以上確保してください。
その理由は、通路幅が1m以上確保できていれば、キッチンを使用している場合でも、通路として利用できるからです。
キッチンを使用している場合、30㎝~40㎝程度のスペースが必要となりますが、通路幅が1m以上あれば、60㎝以上の通路スペースが確保されています。
また、キッチンの収納は奥行が45㎝程度ですから、収納を引き出した状態であっても、残りのスペースで十分通行することができます。
この通路幅を確保することで、キッチンの作業スペースとしてだけではなく、生活動線として有効に活用できます。
『そこまでわざわざ通る必要ある!?』と思う方もいるかもしれませんが、この動線は、来客動線と生活動線を分ける裏動線として機能します。
裏動線は、ストレスなく生活するために重要な動線ですから、ほんの10㎝、20㎝の話ですが、しっかりと抑えておいてください。
次回は『プロは絶対に選ばない!!後悔するキッチンの間取り5選 後編』になります!
▼こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧ください!
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