【注文住宅】知らずに選んではいけない!平屋の後悔ポイント7選 後編

こんにちは。住まいの専門家かみだにです。

今回は、『知らずに選んではいけない!平屋の後悔ポイント7選』の後編をご紹介します。

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ご自宅の参考のために是非最後までご覧下さい。

5.防犯面


平屋住宅の後悔ポイント5つ目は、防犯面についてです。

平屋の場合は、全ての部屋が1階にありますので、2階建てに比べ窓からの進入は容易となります。

『いや、2階建てだったとしても、1階にも窓はあるやん!そんなら一緒やん!なにいうてんねん!はあ?』と思った方もいるかもしれませんが、2階建てとは違う面での重要な注意ポイントがありますのでご紹介します。

まず、ご紹介するのは、寝室の窓についてです。

比較的生活のしやすい気候の中間期には、窓を開けて外気を取り入れながら就寝する、という方も多いと思います。2階建ての場合は、寝室は2階に設置することが多いため、夜間窓を開けていても周辺にベランダなどがなければ侵入される心配は少ないと思います。

しかし、平屋の場合は寝室も1階に配置するため、夜就寝の際に、窓を開けて寝たいという場合もかなり危険になります。

ですので、平屋の窓については、重要な考え方があります。それは、換気用の窓と採光用の窓を別々に考える、ということです。

どういうことかというと、換気用の窓には、開け放しておいても侵入が難しいような大きさや形状のものを採用して、明かり取りの部分には、FIX窓のような開閉することができない窓を採用するということです。



さらに、形状は横長の窓を採用して、天井付近の高さに設置することで、外部からの侵入をしにくくすることができます。こうすることで、安心して窓を換気しておきたい、という場合でも有効です。

一般的な防犯対策には、シャッターを付けたり、防犯フィルムや防犯ガラスを張るといった対策がありますが、こういったものは、通風のために窓を開けてしまうと防犯効果がありません。さらに採用には、かなり高額なオプション費用が発生してしまいます。

ですから、一番安価で採用しやすく、防犯上の効果もあるものとして、FIX+小窓というような組み合わせ窓を、天井付近の高い位置に設置する、というのがオススメの窓の設置方法になります。




6.日当り


平屋住宅の後悔ポイント6つ目は、日当りについてです。

結論からいうと、平屋は、2階建てに比べ日当りが悪くなります。その理由としては、建物の高さが低いこと、そして床面積が広いことが挙げられます。

例えば、密集した住宅地に平屋住宅を建てる場合は、隣接した2階建てのお家の影になってしまうかもしれません。そうなると、太陽が高い位置にのぼる時間までは、部屋に日照が取り込めず、朝の内は電気をつけなければ生活ができない、こういった可能性は十分にあります。

そして、平屋は全ての要素を1フロアの中で計画しますから、どうしても床面積が広くなってしまいます。そうなると、間取りの中心部までは日照は届かずに、暗いスペースができてしまいます。

ただ、このような場合に、いくつかの対処方法があります。

1つ目は、日照条件の悪い空間は、そもそも日照が必要ないような収納スペースを配置するという方法です。収納スペースであれば、そもそも窓を設けない場合がほとんどですから、問題なく配置することができます。



2つ目は、コの字やL字の間取りを採用するという方法です。正方形や長方形などの整形な間取りは、中心部分の日当りが悪くなるので、それを間取りの形状で回避する方法です。

しかし、コの字やL字の間取り形状は、配置計画を間違うと、動線が長く伸びてしまうので設計の難易度は高いです。また、それに加えて構造上のバランスは悪いので、高い耐震性を求める場合にはあまりオススメはしません。

3つ目の方法は、段違い屋根を採用する、という方法です。段違い屋根は、高さの違う屋根を組み合わせる形状の屋根です。



屋根の段差部分に高窓を設けることにより、中心部分にも日照を届けることができます。ただし、防水や構造の面で多少難易度が上がりますので、経験のある工務店で採用してください。

また、それ以外にも中庭を設けるといった方法もあります。中庭は日照が取れない部分に、ピンポイントに設けることができます。ただし、同じく雨水排水の方法や、通風を確保しておかないと、コケがすぐ生えるなどの注意点もありますので、こちらも経験がある工務店に依頼をしてください。



このように日照がとりにくい敷地形状で平屋を採用したいという場合は、以上のような方法を採用することで効果的に日照を確保することができます。

ただ、いずれの方法にしても間取り計画や構造設計の難易度は高くなりますし、施工経験も必要になりますから、工務店選びも含めてしっかりと検討しましょう。

7.音の問題


平屋住宅の後悔ポイント7つ目は、音の問題です。

平屋の場合は、2階建てと違い、共有空間と個室空間をフロア毎に分けることができませんから、間取り計画時に注意をしておかないと家族間でもトラブルになるかもしれません。例えば、多世帯で生活する場合や夜間勤務で睡眠時間が違う、という場合です。

この場合にポイントになるのが、水回りスペースです。水回りスペースは、洗面や浴室など、かなり生活音が出やすいスペースですから、寝室に近い位置に水回りスペースを設けると、家族の睡眠を妨げてしまうかもしれません。

ですから、そういった生活時間帯が違う場合は、水回りと寝室は距離を取って配置する方が良いと思います。どうしても近くなってしまう場合は、寝室との間に収納スペースを挟むことでも効果があります。

逆に平屋には、音に関してのメリットもあります。それは下の階に足音が聞こえない、ということです。

特にマンションにお住まいだった方は、お子さんの足音も全く気にすることが無くなるので、ストレスなく生活ができるというメリットがあります。




今回は平屋住宅の後悔ポイント7選をご紹介しました。最後にまとめておさらいすると、

  1. 土地の面積が増える
  2. 屋根や基礎の面積が増える
  3. 内装仕上げ費用が上がる
  4. 外部のメンテナンス費用は安く済む
  5. 防犯について 換気用の窓と採光用の窓は別々に考える
  6. 日当たり 日照を確保する方法はあるが、設計力や経験が必要
  7. 音の問題 寝室と水回りスペースの配置に注意


以上の内容をご紹介しました。


このブログでは実際の住まいづくりで本当に役立つような情報をお伝えしております。一緒に最高の家づくり目指して頑張っていきましょう!

上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

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