最高の玄関をつくる!おススメ仕様7選


こんにちは住まいの専門家上谷です。

玄関は、リビングや、水回りに比べて優先順位が低くなりやすいスペースですが、間取りを工夫することで、動線や機能面に影響が出やすいスペースです。ですが、案外そんな工夫を知らずに、もったいない玄関となってしまうことも多いです。

そこで今回のブログでは、機能的な玄関を実現するために、オススメしたい仕様を7つご紹介します。

オススメする理由や、それぞれの仕様のメリットデメリットに加えて、失敗しやすいポイントも合わせて詳しく解説します。

是非、最後までご覧いただいて「ウチの玄関使いやすっ!もうここで寝れるわっ!」といえるくらい、最高の玄関を実現するための、参考にしていただいたらと思います。

それでは、「最高の玄関をつくる!おススメ仕様7選」をご紹介します。

1. 斜め框


最高の玄関仕様1つ目は、斜め框です。

框というのは、玄関の靴を脱ぎ履きする部分に設けられた段差の部分です。こちらは通常真っすぐに施工することがほとんどですが、それを斜めにしたパターンを「斜め框」と私が勝手に呼んでいます。

「いやおまえが呼んでるだけかいっ」
はい、ありがとうございます。

それでは、斜め框をおススメする理由をご説明します。それは、なんといっても靴をたくさん並べられることです。靴を並べるためには、この框の長さが何より重要です。



例えば、土間部分の広さやホールがいくら広くても、框が短ければ靴を並べることはできず不便に感じてしまいます。

とはいっても巾を広げたくても、「玄関の幅がこれ以上広げられへんねん」ということも多いと思います。そんな時に効果的に框を伸ばせるのが、この「斜め框」です。

玄関の幅は同じでも、框を斜めに設けることで距離を伸ばすことができます。また、斜め框は、全体を斜めにするパターンだけではなく、一部を斜めにしたり、湾曲させるパターンもあります。


なお、玄関スペースの面積が狭い場合でも、框が斜めになれば前後の奥行きが出ますから、視覚的にも広がりを感じるという効果があります。

注意点として、あまり鋭角な部分を作ってしまうとホコリだまりとなってしまったり、掃除がしずらくなってしまいますから、角度が鋭角となる場合は、少し手前から真っすぐの部分を作っておく方が良いと思います。


ご機嫌斜めや、斜に構えるなど、斜めのイメージは悪いことも多いですが、この「斜め框」は大きな費用をかけることなく、特段のデメリットもなく施工できますから、全ての方におススメできる仕様です。

是非、採用を検討してください。

2. コート収納


最高の玄関仕様2つ目は、コート収納です。

コート収納は、玄関に衣類を収納することができるスペースです。冬場にコートなどの、上着を掛けておくことからコート収納と呼ばれることが多いですが、冬場でなくても、アウトドアの衣類や雨具など、主に外部で使用するものを収納しておけるスペースとして利用できます。

コート収納の主なメリットは、かさばる衣類を玄関に収納することができますから、室内が上着で散らかってしまうということを避けることができます。

そして、外部で衣類に付着したものも、室内に持ち込まずに済みますから、衛生面においても効果的な仕様です。特に、コロナ禍においてはもちろんですが、最近はそれ以外にも花粉やPm2.5などアレルギーに対しても敏感になっていますから、少しのスペースでも採用しておきたい仕様だと思います。

ですが、「そんなん分かってるけどスペースが無いわ」と考えて諦める方も多いと思います。
確かにコートをかけるなら、奥行きは60㎝は欲しいですから、そうなると玄関に必要なスペースは、かなり広がってしまいますよね。

実はそういった場合に、お勧めのコート収納が2つあります。

1つは、短辺方向にパイプを設ける方法です。
決して収納できる衣類の量は多くありませんが、必要最低限の衣類を収納することはできます。



こうすれば奥行きは30㎝もあれば十分ですから、スペースをさほど圧迫することなく、コート収納として利用することができます。

こちらは、大工さんによる造作工事で施工することもできますし、Panasonicのエントランスパーツ等を利用して、カスタマイズすることもできます。気になる方は概要欄にリンクを載せておきますのでご覧ください。

Panasonicのエントランスパーツ



そして、もう1つはハンガー長押しを利用する方法です。
ハンガー長押は、壁面に木製のコート掛けを設置する方法です。



こちらは、扉がありませんから、衣類は見えてしまっている状態になります。
ただ逆を言えば、掛けやすく取りやすい状態になりますから、より普段使いしやすいという考え方もできます。

また、最近のハンガー長押は、従来のシンプルな形状に加えて、インテリアとして利用できるものもかなり多くなっていますから、上着が必要ない時期も額をかけたりすることで、ピクチャーレールのような使い方をすることもできます。



こちらもリンクを張っておきますから、気になる方はご覧ください。

「このリンク怪しいなーなんか買わせようしてないか?」と思った皆さん残念ですが、この程度のチャンネルではそんな依頼はきません。安心してください。
ただ、今後は依頼がくるように是非とも、チャンネル登録のご協力お願いいたします(笑)

3.埋め込み型ポスト


続いて、最高の玄関仕様3つ目は、埋め込み型ポストです。

埋め込み型のポストは、外壁に埋め込む形で設置するポストです。
ポストに投函された郵便物を、室内側から取ることができます。



そうなれば、着替えることもなく、部屋着のまま郵便物を取ることができますし、冬の寒い日でも体を冷やすこともありません。

非常に便利なこちらの仕様ですが、実は失敗が多い仕様でもあります。
その失敗を避けるための、注意点がいくつかありますので、ご紹介します。

まず1つ目は、防犯性についてです。
埋め込み型のポストの場合は、当然ながらポスト口を玄関に直接設置するわけですから、玄関口まで特に違和感なく人が近づけることになります。

また、ポスト口は室内に直接つながっていますから、ポスト口から室内の音や気配も感じることができてしまいます。こういったことを防止するためにも、室内側にはフタがついているタイプや、しっかりと囲まれたボックスタイプを採用することをおススメします。



そして2つ目の注意点は、断熱についてです。
外壁を貫通してポストを設ける訳ですから、この部分はどうしても断熱性が落ちてしまいます。

こちらに対しての対策も、先ほどの防犯対策と同様に、フタ付きやボックス付きを採用することで、しっかりと外気を遮断するような形状とすることができます。

特にポスト口は、大きいサイズの郵便物の場合に、郵便物が中に納まりきらず、ポスト口が半開きになってしまうことも多いですから、郵便物がはみ出さないサイズの大きさを確保しておくことをおススメします。



最近は、シューズクロークの中にポスト口を設置することも多いと思います。
その場合は、収納の中だからと安心してしまって、先ほどのような防犯性や断熱性を考えずに設置してしまうこともあると思います。

ですが、埋め込み型の場合は、交換も容易ではありませんので、本当に問題は無いか確認の上で設置してください。これだけ郵送や配達が日常になると、ポストで不便を感じる頻度も半端じゃありません。

是非、ご一考ください。

4.75㎝以上の通路幅


最高の玄関仕様4つ目は、75㎝以上の通路幅です。
これだけではなんのこっちゃだと思いますので、ご説明いたします。

シューズクロークを設ける際に、サブ玄関として通り抜けができるウォークスルー形状にしている方も多いと思います。このウォークスルーの場合に、棚の収納量を優先してしまって、人がギリギリ通れるような通路幅にしてしまっている場合が多いです。


結論からいうと、こういった場合は、普段使いをしなくなってしまう可能性が高いです。なぜかというと、玄関を通り抜ける際は、何かしら手荷物を持っていることが多いからです。

例えば、ご家族が通勤や通学に出かけるにしても、買い物や学校から帰ってくるにしても、ポストの郵便物を持っているにしても、実際の生活の中では、手ぶらで玄関を通行する、ということの方が少ないと思います。

そういった手荷物がある状態では、狭い通路は通りにくいですから、結局通路が広くとれている、玄関側を利用してしまって、せっかくのサブ玄関を通路として使わなくなってしまいます。



こうなると、メインの玄関廻りに、靴や荷物が散らかってしまいますよね。ですから、サブ玄関の通路幅は、最低でも通常の廊下巾程度の、75㎝は確保するようにしましょう。

そうすれば、手荷物を持った状態でも、問題なく通行することができます。

また、センサーライトを採用することで、手荷物がある状態でも、スイッチを付ける必要がありませんから、スムーズに通行できます。ウォークスルー形状は、通行に不便を感じてしまうと、一気に普段使いしなくなってしまうので、細かい部分まで気遣って計画することが大事です。

続いて、残りの3つの仕様は、小さい要素だけど、あると凄く便利なもの仕様を3パターンご紹介します。

5.跳ね上げ式のベンチ

最高の玄関仕様5つ目は、跳ね上げ式のベンチです。
靴の履き替えの際に、ベンチがあれば靴の脱ぎ履きが楽にできます。

「いやまだまだそんな歳やないわ」と思った皆さん危ないです。最近はリモートワークにより、椅子に座っている時間がさらに増えたことで、若い方でも腰痛をお持ちの方が増えています。

それにベンチは、座るだけではなく、靴を脱ぎ履きする際に、荷物を仮置きするスペースとしても利用できます。



ですが、しっかりと作り付けてしまってはスペースをとってしまい、逆に邪魔になってしまいますから、跳ね上げ式のコンパクトなサイズのものを採用することをおススメします。

6.スリッパ用のニッチ収納


最高の玄関仕様6つ目は、スリッパ用のニッチ収納です。
最近はシューズクロークを採用する方が、半数以上ですから、玄関にスリッパを置くスペースに困る場合も多いと思います。

もちろんスリッパはさほど大きなスペースを必要としませんから、市販のスリッパ置きでも問題はありませんが、掃除の際に避けたりする必要がありますし、来客が少ない場合は、再々使うわけでもありませんから、そうなると普段は邪魔に感じてしまいますよね。

そういった場合に、ニッチ収納を利用すればスペースは取りませんし、使いやすい位置に設置できますから、いざという時にすぐ使えて便利です。

パモウナのニッチ収納



上記写真は、パモウナというメーカーのニッチ収納です。選べる表面材も多いので、来客の目につきやすいインテリアとしてもお勧めです。気になる方は概要欄のリンクからご覧ください。

7.玄関手すり


最高の玄関仕様7つ目は、玄関手すりです。

「玄関手すりはさすがにダサいわ」という方も多いと思います。
確かに、手すりをつけると、壁面がスッキリしませんし、一気に生活感が出てしまいますよね。

ただ、玄関手すりを設置すると、靴の脱ぎ履きが格段にしやすくなります。それに、お子さんがいる場合は、どうしても壁面に手をついて靴の脱ぎ履きをしますから、知らない間に壁を汚してしまう可能性があります。

そういった場合に手すりがあると壁も汚さず非常に便利です。

また、目立たずに付けたいという場合は、ホワイト系を選定することが多いと思います。その際に、握りやすい樹脂製の手すりもありますが、樹脂製のホワイト色の場合は、経年劣化で変色しやすいですから、ホワイト系にしたいという場合は、木製手すりがおススメです。



今回は、最高の玄関をつくる!おススメ仕様7選をご紹介しました。

今回のポイントをおさらいしてまとめると、

  1. 斜め框 靴を並べるのに便利
  2. コート収納 ハンガー長押も十分便利
  3. 埋め込み型ポスト 室内側のガードを忘れずに
  4. サブ玄関の通路幅 75㎝以上をしっかり確保
  5. 跳ね上げ式ベンチ
  6. スリッパ用のニッチ収納
  7. 玄関てすり

こういった内容でお伝えしました。


玄関の仕様選びは、従来のように来客時を想定するだけではなく、衛生面を考慮したり、いかに機能的できるかなど考えることがたくさんあります。

その際に予算がいくらでもあれば、どんどんスペースを広げて、機能面を付加していけばよいのですが、もちろんそんなに甘いわけがなく、限られたスペースと予算の中で、いかに使いやすい空間にしていくのかが重要となります。

特に、かゆいところに手が届くような、新しい商品も続々と出てきますから、見逃してしまわないように、しっかりとアンテナを張っていてほしいと思います。

このブログでは皆さんの住まいづくりのお手伝いができるよう、毎週役立つ情報を配信をしております。一緒に最高の家づくり目指して頑張っていきましょう。

動画内で紹介したリンクはこちら
【Panasonicエントランスパーツ】
https://sumai.panasonic.jp/interior/s…

【ハンガー長押】
https://www.sumirin-crest.co.jp/produ…

【パモウナのニッチ収納】
https://www.pamouna.jp/ma/

住まいの専門家チャンネル
 オンライン個別相談

https://sumaisenmon.hp.peraichi.com/

こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧下さい!
チャンネル登録お願いします!


上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

関連記事

TOP