こんにちは住まいの専門家上谷です。
間取りの中で収納についての悩みは尽きませんよね。
例えば「片づけたくても、片づけるスペースが無い」ということや「知らない間に散らかってしまう」こういった悩みを抱えている方も多いと思います。せっかく素敵な家ができたと思ったのに、いつも散らかっていてモヤモヤした気分で生活している。
絶対にこんな想いはしたくないですよね。
ですが、案外そうなってしまう原因が「どうしてなのか分からない」という方も多いと思います。
今回のブログは、そんな片付かない間取りにまつわる失敗を回避する為に、役立つ動画となっています。収納を効率的に設置する方法や、気を付けて欲しい失敗ポイントまで詳しく解説しますから、是非、最後までご覧いください。
それでは、「間取り初心者必見!片付かない間取りの特徴10選」をご紹介します。
1.収納の面積を割合で考えてしまう
片付かない間取りの失敗ポイント1つ目は、収納の面積を割合で考えてしまうということです。
これだけでは、なんのこっちゃという方も多いと思いますので、ご説明します。収納の面積を考える際に、床面積に対しての割合を目安にする場合があります。
例えば、床面積が100㎡だから収納は15%の15㎡とれていれば大丈夫、というような考え方です。
ですが結論からいうと、これは危ない考え方です。この考えをしてしまっていると、片付かない家を作ってしまうかもしれません。
どういうことかというと、収納を面積に対しての割合で考えていると、無駄に収納スペースを広げてしまったり、全然必要な場所に配置できていないのに、「面積は足りているから大丈夫」と満足してしまうからです。
収納は面積ではなく、数や配置の方が遥かに大事です。
それぞれの収納は小さくても、適した場所に配置されていれば家は片付きます。
逆に面積は十分にあったとしても、必要な場所になければ、わざわざ片付けるために、隣の部屋まで移動するわけもなく、家は散らかってしまいます。
「ほな、ハサミを隣の部屋に取りに行くかー、ハサミ使い終わったら戻しにいこう」とは考えないですよね。ですから、リビングやダイニングの机の上は、油断をしていると、小物であふれてしまうわけです。
ということで、もし、収納を面積でアピールしてくる営業がいたら注意してください。ロフトや、小屋裏収納や、2階の納戸のような、普段使いが全くできない収納で、面積を嵩増ししているかもしれません。
適材適所に収納が設置されているかを、じっくりと見極めてください。
2.天井までの収納
片付かない間取りの失敗ポイント2つ目は、天井までの収納です。
天井までの収納を設けると、背の高い建具を使用することで、デザインもスッキリとしますし、容量もたっぷりと取れますから、問題は無いように思いますが、
天井までの収納にも注意点があります。
それは、不要なものを押し込んでしまう、ということです。
2mを超えるような部分は、手が届きませんから、下手に置いておけるようなスペースがあると、「使うかもしれないから一旦置いておこう」という気になってしまい、気づいたら不要なものでいっぱいになってしまいます。
それに目線より上の部分は、普段から目に入りにくいですから、不要なものを詰め込んでいても、特に気にもしなくなってしまいます。
そういったことから、収納を2m程度に抑えておくと、収納全体が把握しやすくなります。
それに、収納を2m程度の高さに抑えておくと、収納の上部と天井の間に窓を取ることもできます。
こうなれば、窓とクローゼットの配置に悩むことは少なくなります。
例えば、個室の場合に、出入り口の扉側にクローゼットを設けることが多いとおもいます。
ですが、本当は外壁面に配置した方が収納の幅は広くとれます。
これは、もちろん収納が扉に近い方が使いやすいという面もあります。
ですが、それ以上に、外壁面にクローゼットを配置すると、窓が取れない、という理由から扉側にクローゼットを配置する方が多いのだと思います。
こういった場合も、収納を2mの高さに抑えておけば、どの面に設置しても窓が取れますから、部屋の幅いっぱいに収納を設置することができます。
こうすれば、天井付近の収納が減ってしまっても、使いやすい高さの収納が増えることになりますから、おススメです。
ただし、収納の上部にホコリがたまるというデメリットはありますので、棚の上は拭き取りやすいように、ポリ合板やメラミンを使用することおススメします。
そうすれば、ディスプレイ空間としても利用することができます。
3.仮置きスペースが無い
片付かない間取りの失敗ポイント3つ目は、仮置きスペースが無いです。
収納を計画する場合に、生活必需品のみで考えると失敗してしまいます。
なぜなら、配達物を一旦おいておくスペースや、不要となった段ボールを収集日までおいておくための仮置きスペースが必要だからです。
最近では、ネットで商品を注文して、自宅まで配送してもらうということが一般的ですから、一旦仮置きしておくスペースが無いと、生活に支障が出るほど置き場所に困ってしまいます。
理想は玄関の土間収納の一角に仮置きスペースが配置できれば、配達の際も、廃棄の段ボールの集積にも便利な場所として利用できます。
段ボールは軽いので、床に置く必要はありませんから、収納の一角に縦置きできるスペースを設けておく程度で十分です。
4.高さがぴったりの収納
片付かない間取りの失敗ポイント4つ目は、高さがぴったりの収納です。
「いや高さがぴったりで何が悪いねん!」と思った方もいるかもしれませんが、デメリットをしっかり理解していないと使いにくい収納になってしまいます。
最近は、収納ケースを使用することで、小物を細かく分けて収納することも多いですよね。
見た目にもおしゃれに収納することもできるので、こういった収納にしたいとイメージされている方も多いと思います。
ですが、この収納ケースを使用する場合に注意点があります。
それが、棚の高さに合わせて、収納ケースの高さをピッタリにしてしまうということです。
ピッタリの収納ケースの注意点は2つあります。
1つ目は収納ケースの中身が把握しにくいということです。収納ケースの上部に隙間が少ないので、中が覗きにくく、中を見るには毎回引き出す必要があります。
スッキリ片付けるには、どこに何があるのか、把握しやすくするということも大事ですから、収納ケースの上部には多少隙間がある方が、一目で中身を確認することができます。
そして、ぴったりの収納ケース2つ目の注意点は、必ず両手を使う必要があるということです。一度片手で引き出してから、中の物を取る必要があるので、必ず両手を使うことになります。
例えば、キッチンや洗面で手が濡れていたり、汚れていたりする場合でも、イチイチ両手を拭いてから、物を取り出す必要がある為、めんどくさく感じてしまいます。
それでなくても、毎度収納ケースをもって、戻してと繰り返すのは大変ですよね。
こういった理由から、棚1段の高さに対して、多少余裕を持った収納ケースを使用する方が、普段使いしやすいと思います。
ただし、オープン収納の場合で、見た目のデザインを優先したいという場合は、あえてぴったりサイズを選んでも良いと思いますので、それぞれの場所や、扉の有り無しなどに応じて、選定していただいたらと思います。
5.奥行がぴったりの収納
片付かない間取りの失敗ポイント5つ目は、奥行がぴったりの収納です。
「またぴったり、ぴったり好きやなー」というツッコミありがとうございます。
高さに続いて奥行きをぴったりにした場合も失敗しやすいです。
できるだけ中に入れるものに合わせて、収納の奥行をシビアな寸法で制作することもあると思います。
その場合に起こりやすいのが、ギリギリに作りすぎて入らなかったという失敗です。
当たり前のことですが、この当たり前が結構起こるんです。
特に失敗しやすいのが、書類を入れる収納です。
書類はサイズが統一されていますので、収納の奥行きを考える際も、入れておきたい書類の大きさに合わせて、容易に設計することができます。
例えば、A4サイズ(奥行21㎝)のものを入れるために、2㎝程度余裕を見て、棚の奥行を23㎝で作ったとします。
そうすると、A4サイズの紙はゆとりをもって入れることができますが、A4サイズのクリアファイルは、23㎝ですからギリギリ扉に当たってしまいますし、A4のルーズリーフフォルダは25㎝ありますから、全然入りません。
このように、サイズがしっかり統一されているものの方が、企画通りに作っておけば大丈夫だろう、と安心してしまうので危険です。
ですから、書類を整理する収納の奥行を設定する場合は、中に入れたいもののサイズ+5㎝くらいの余裕をもっておいて、ちょうどいいと思います。
6.構造に合わせた収納
片付かない間取りの失敗ポイント6つ目は、構造に合わせた収納です。
上の画像は収納の奥行を、柱と柱の間の寸法、そのままで設計したパターンです。
ハウスメーカーからの間取り提案を、そのまま採用した場合に多いと思います。
ですが、この収納のあまりオススメしません。
理由は、そのままの奥行は使いやすい訳ではないからです。
一般的な寸法で収納を設けた場合は、奥行は75㎝程度となります。
この寸法は、布団そのまま収納するような、押し入れの場合には使いやすいかもしれません。
ですが、クローゼットのような衣類収納として使うには奥行が深すぎます。
こちらの動画でも詳しく解説していますが、衣類収納は奥行きは60㎝あれば十分です。
また、柱と柱の奥行きに対して、ちょうど半分で収納を設ける場合もありますが、その場合は40㎝ほどですから、クローゼットとしては浅いですし、パントリーの収納としては深すぎます。
浅い収納も物が入らなくて困りますが、だからといって深い収納を設置してしまうと、暗くて見えにくかったり、入れづらい出しづらいとなってしまいます。
ですから、構造に合わせた奥行きの場合は、何となく提案のまま進めるのではなく、実際に入れるものに合わせた奥行で設計することをおすすめします。
カラーボックスや衣装ケースは、メーカーは違っても、ある程度寸法が統一された製品ですから、収納したいケースに合わせて設計するのもオススメです。
7.個室の衣類収納
片付かない間取りの失敗ポイント7つ目は、個室の衣類収納です。
最近は、ファミリークローゼットを使用することで、家族分をまとめて一か所に衣類を収納することも多くなってきましたが、まだまだ割合としては、各個室にクローゼットを設ける方が多いです。
ですが、各個室に衣類収納を設ける場合に気になるのは、やはり家事負担についてです。
全員分の衣類を各個室まで、収納をしにいくのは大変ですし、各個人がそれぞれの部屋に持っていくにしても、一旦洗濯し終わった衣類をまとめて置いておくスペースは必要となります。
そうなれば濯物物が、置きっぱなしになって片付かない、という状態にもなりそうですよね。
ファミリークローゼットであれば、先ほどのような置きっぱなしになる、という問題は解決しやすいですが、ある程度各個人の衣類収納の独立性が欲しいという場合の対応は難しくなります。
こういった場合に有効なのが、廊下収納を利用するという方法です。
廊下収納は採用されている方が、かなり少ない仕様ですが、この廊下収納がベストな使い方という方もいると思います。
どういう収納形状かというと、各個人の衣類収納を、個室空間に近接した廊下に面して設置することで、衣類の片付けがしやすくなります。
また、各個人のクローゼットとして、スペースは明確に分かれていますから、家事負担の軽減をしつつ、それぞれの独立性をある程度確保することができます。
ちょうど個室内のクローゼットと、ファミリークローゼットとの中間のような収納形状です。
クローゼット形状に悩んだら、第3の選択肢として検討してください。
8.水回りに収納が無い
片付かない間取りの失敗ポイント8コ目は、水回りに収納が無い、です。
個室の収納は、割としっかりめに取れていても、水回りには全く収納が取れていないという場合を多くみかけます。水回りには、普段使いするものだけも、小物を大量に置いておく必要がありますし、買い置きの洗剤類も含めると、小物の置き場所はさらに必要となります。
洗剤のストック類は、どこか別の場所にある納戸に収納する、という計画をしている場合もあるかもしれませんが、そうなると、取りに行くのがめんどうに感じてしまい、近場の適当な場所に置いてしまって、片付かない原因となってしまいます。
また、もしかしたら水回りの収納を、市販の家具で行うという方もいるかもしれません。
ですが、水回りはホコリや髪の毛など掃除はこまめに必要なスペースですから、家具を置いてしまうと、掃除の際に家具を移動したりするのにも苦労してしまいます。
ですから、しっかりと収納スペースを確保しておく、というのが理想ですが、そうはいっても、設置するようなスペースが取れない場合も多いと思います。
その際に便利なのが、ニッチ収納です。ニッチ収納は奥行きは10㎝ほどですが、小物の収納が主な水回りには最適の収納です。
おススメのニッチ収納は、パモウナのマージンキャビネットです。
大きさや柄も種類が豊富に揃っていますし、鏡付の扉や照明付きの仕様もあるなど、その場所に応じてお好きな形状を選択することができます。
そして、質感もリアルな木目ですし、スッキリとしたデザインですので、インテリアとしても十分採用できます。
リンクを後ろに貼っておきますので、気になる方はご覧ください。
9.仕切りの無い収納
片付かない間取りの失敗ポイント9つ目は、仕切りの無い収納です。
収納を設ける際に、大きなものでも入れることができるように、仕切りをあまり設けず、広い棚板を設置することも多いと思います。
ですが実際には、家の中のものはほとんどが小物ですから、仕切りが無いと収納する際に困ります。例えば、本など倒れやすいものでも、仕切りがあれば容易に収納できますから、収納内の面積をめいっぱいに使うことができます。
どれだけ大きいものでも90㎝を超えるような巾のものは、家の中ではあまりありませんから、最低でも巾が90㎝を超えるようであれば、仕切りを入れておくことをおススメします。「90㎝では布団入らんわ!」と思った方もいるかもしれませんが、今は布団でさえ縦置きでコンパクトに収納できます。
細かく仕切りを設けると費用がかかると思う方もいるかもしれませんが、その分収納空間を有効に利用できます。
そうなればコンパクトに設計することで、結果的に安価になります。
10.コンセントが無い収納
片付かない間取りの失敗ポイント10つ目は、コンセントが無い収納です。
収納の内部でも、家電を使用したり、充電を使用することがありますから、必要に応じてコンセントを設置しておくと便利です。
その中でも特に設置を忘れてしまいやすいのが、パントリーです。
間取りを考える時には、必要はないと思っていても、生活してからセカンド冷凍庫が必要になったり、コードレスの調理家電を充電したりと、コンセントがないと設置場所に困ってしまいます。
なお、パントリーに限らず、ウォークインタイプの収納には、最低1箇所はコンセントを設置しておいても無駄にはならないと思います。
ウォークインクローゼットやシューズクロークであれば、空気清浄機や脱臭機を使用することも多いと思います。
また、パントリーなど水回りの収納内は、忘れずにアース付きコンセントにしておいてください。
今回は、『間取り初心者必見!片付かない間取りの特徴10選』をご紹介しました。
希望の部屋を優先して考えていくと、削られてしまいやすい収納空間ですが、スッキリした空間で生活するためには、まず収納が大事です。検討する時間は短くなってしまうことも多いですが、家が片付かないという後悔の声は多いので、そこはしっかりと時間を割いて考えてほしいと思います。
その為にこのブログが少しでも役立てばと思います。
一緒に最高の家づくり目指して頑張っていきましょう。
▼ニッチ収納はこちら↓
https://www.pamouna.jp/ma/
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こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧下さい!
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