後悔しやすい住宅設備10選 中編


こんにちは、住まいの専門家かみだにです。

今回は『後悔しやすい住宅設備10選 中編』になります。(前編がまだの方はこちらからどうぞ!)

4.洗面脱衣室


後悔しやすい住宅設備4つ目は、洗面脱衣室です。

洗面脱衣室は、洗面スペースと脱衣スペースが一体になった水回り空間です。従来の間取りでは、このように洗面脱衣室として一体で設けることが当たり前でしたが、現在は、それぞれのスペースを別々の空間として分けて設けたいという要望が、かなり増えています。



要因としては、洗面脱衣室の場合、家族が浴室を使用している間に出入りがしづらいという声が圧倒的に多いです。こういった理由から、今後も洗面脱衣室としてまとめて設けることは、減ってくると思います。

『いや、そんなん分かってるわ!今更なんやねん!』と思った方も多いと思いますが、この洗面スペースと脱衣室を別々に分ける際に、失敗しやすいポイントがあります。ご説明します。

その失敗ポイントは『洗面と脱衣を別々に分ける』という要望を、「それぞれのスペースの間に建具を設けたい」とか「カーテンで仕切りたい」といった要望をしてしまうということなんです。

『・・・どゆこと?』と思ったかもしれませんが、ここで一歩下がって考えていただきたいんですが、その要望の仕方だと、前提として、洗面と脱衣がまだ頭の中でセットになっているんです。



つまり、『セットになった空間を何かで隔てたい』という要望になっているんです。

そもそもで考えてみると、別段洗面スペースと脱衣室は直接的な関係が無いので、元々隣接させる必要はありません。

例えば、キッチンとパントリーのように、調理中必ず何度も行き来する場合や、浴室と脱衣室のように、間取り特性上切り離せないという関係ではありません。

それでも、『いや、おまえ風呂あがったあとのドライヤーせえへんからやろ!』と思われた方もいるかもしれませんが、風呂あがりで着衣している状態なら、ドライヤーをするのも、寝室に近い位置やLDKに近い位置の方が使いやすい場合もありますよね。

つまり、従来の洗面脱衣室のイメージで『水回りは一体でまとめないといけない』という固定概念にとらわれないようにしてほしい、ということです。是非、ご一考ください。

5.キッチン扉の鏡面タイプ


後悔しやすい住宅設備5つ目は、キッチン扉の鏡面タイプです。鏡面タイプは、光を反射するような光沢感がある表面材です。


逆に、光が反射しにくい、光沢感が少ないものを、マットタイプと言います。




鏡面タイプは、光沢がある分、清潔感や高級感が出やすいという特徴があります。ですが、その光沢が逆にデメリットになってしまう場合も多いので、採用には注意が必要です。

まず、1つ目のデメリットは、指紋が目立ちやすいという点です。これは、特に濃い色の場合ほど目立ちやすくなります。ですから、ブラウン系やブラック系を採用予定の場合は、鏡面を避けて、マットタイプを選ぶ方が無難です。

2つ目のデメリットは、傷やへこみが目立ちやすいという点です。キッチンの扉に入りやすい細いヘアキズや小さな凹みは、光の加減によって、目立ちやすくなります。特に、鏡面仕上げは元々の仕上がりが平滑なので、少しの傷や凹みも目立ってしまいます。

3つ目のデメリットは、価格が髙いということです。同じ色を選ぶ際に、マットタイプに比べ鏡面タイプの方が価格が髙く設定されています。これは、表面を光沢感のある仕上げにするために、コーティングを施工していることなどが要因です。

もちろん中には、低いグレードでも鏡面タイプもあります。しかし、グレードが低い鏡面タイプには、注意点があります。それは、低グレードの鏡面は、表面の光沢があまり平滑ではなく、波打つような仕上げになっているからです。

これは、おそらくコーティング膜が薄いことが原因です。鏡面は鏡のように映り込むからこそ、高級感が出て価値が出ると思いますので、鏡面タイプを選ぶのであれば、ある程度、高級グレードから選定されることをおススメします。

こういった面から、特に鏡面タイプ・マットタイプのどちらを選ぶかこだわりが無ければ、マットタイプを選ぶ方が、実際に使用してからの後悔は少ないと思います。

6.廊下のコンセント


後悔しやすい住宅設備6つ目は、廊下のコンセントです。

一般的に、コンセントの後悔といえば、コンセントの数が足りない、欲しい場所にないというような、どちらかと言えば、コンセントが少ないといった失敗の声が多いです。

しかし、廊下のコンセントについては、付ける必要が無かったという事例が増えています。それはなぜかというと、コードレス掃除機やお掃除ロボットが普及したことで、廊下のコンセントを使用する頻度が極端に減ったからです。

そもそも、廊下のコンセントを設置する最大の理由は、掃除機の使用が目的ですから、それが無くなってしまえば設置する理由はほとんどなくなりますよね。廊下のコンセントは、家全体であれば3~4箇所つける場合もありますから、これが必要無くなれば、費用もかなり圧縮できますよね。



ただ、『廊下のコンセントがあれば足元灯も付けれるやん!』という方もいると思いますが、もし、本当に足元灯が目的なのであれば、コンセント一体型よりも、もっとスッキリとしたデザインの専用の足元灯があります。その方が壁からも出っ張らず、ホコリもたまらないのでおススメです。

オーデリックの製品を下の方に貼っておきますので、気になる方はご覧ください。

7.Ⅱ型キッチン


後悔しやすい住宅設備6つ目は、Ⅱ型キッチンです。

Ⅱ型キッチンは、シンクとコンロを2列に配置したキッチンです。

Ⅱ型キッチンを採用するメリットとしては、まず、シンクとコンロが全く別の位置に配置されていますので、複数人での使用に適していると言えます。また、シンク側とコンロ側の両方の側面に調理スペースがありますから、『家族で調理を楽しみたい』という方にはメリットが多いキッチンです。

ただ、一般的なキッチンに比べ、形状に特徴がある分、デメリットも多いです。例えば、ヨコ移動ではなく振り向いての作業になることや、複数人で使用する際に、振り向きざまに接触の可能性があることなどが挙げられます。

そして、特に見落としがちなのが、床面が汚れやすいという部分です。調理の工程の中で、必ずシンクからコンロへの食材の移動がありますから、濡れている食材を運ぶ際に床面が濡れたり、汚れたりといった症状は、他のキッチンに比べかなり多くなります。



ですから、Ⅱ型キッチンを採用する際は、床材は内装タイルなどの耐水性が高く、汚れが付きにくい素材を必ず選ぶようにしてください。






次回は『後悔しやすい住宅設備10選 中編』になります!

記事内で紹介したリンクはこちら
オーデリックカタログ フットライト
https://www.odelic.co.jp/webcatalog/d…

▼こちらの記事はこの動画で詳しく解説していますので、是非ご覧ください!
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上谷 幸祐

上谷 幸祐

一級建築士。株式会社かみだに工務店一級建築士事務所代表。 徳島出身。1984年4月生まれ。4児の父。 建築一筋18年、住宅診断300棟、設計施工100棟 ゼネコンでの現場監督経験や、大手ハウスメーカーでの営業・設計など幅広い建築経験を経て独立。 現在は、徳島県で主に間取りリフォームやリノベーションを扱う工務店を経営。 登録者6000人超の住宅関連情報を発信しているYouTubeチャンネルを運営。

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